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オピニオン

ギャップシニア・コンソーシアムの実証事業近況報告 ~拠点開所と商品開発について~

2016年05月10日 沢村香苗


 ギャップシニア・コンソーシアムが立ち上がって1年半が過ぎた。本稿では今の活動内容について2つご紹介する。

 (1)埼玉県和光市との公民連携協定の締結と拠点開所
 2015年11月24日、ギャップシニア・コンソーシアムの活動の一環として埼玉県和光市とダスキンが公民連携協定を結んだ((仮称)わこう暮らしの生き活きサービスの実施における公民連携に関する協定書)。協定に基づき、わこう暮らしの生き活きサービスプラザ(以下、プラザとする)が2016年1月12日にサービスを開始した。
 プラザはギャップシニアと直接接点を持ち、主にイベントを通じた関係作りや意欲の向上の働きかけ、情報提供や商品販売を行う場である。業務開始以来3カ月で150名ほどが利用者となり、週に複数回来店する方から月に1度程度の方までそれぞれのペースで利用を楽しまれている。
 人気のあるイベントは、レザークラフト等の趣味系イベント、ウォーキング講座等の活動系イベント、タブレット教室等の知識系イベントである。イベントの内容だけでなくスタッフや知人との新しい関係作りに魅力を感じて来店される方も多い。販売する商品のラインナップは試行錯誤中であるが、イベントと連動した商品(手芸用品やウォーキングシューズ等)、それ以外の健康関連商品(ストレッチグッズ等)は人気がある。開店当初は、「必ず何か買わなければならないのでは」といった警戒の声があったが、最近はくつろいでいる来店者の姿が多く、新規で来店した方もそういった警戒心を抱かずにいられるようである。むしろ急がずに試着や試用ができ、好みに合った商品を取り寄せてもらえることがメリットと感じられるようだ。
 プラザは東武東上線和光市駅から徒歩5分程度で、大きな郵便局の向かいという好立地である。ただ、ビルの3Fにあり中の様子を外からうかがうことができない。また、ビルの入り口に段差があり、決して入りやすい場所ではない。それでも、公民連携協定に基づく各種の広報活動や口コミが集客効果を上げているところである。

 (2)商品開発の試行
 ギャップシニア・コンソーシアムのもう1つの軸はギャップシニア向けの商品開発である。4月12日のメールマガジンでご紹介したとおり、ポイントは「生活観察」「ギャップシニアと共に行う検証」である。プラザのような拠点の利用者がふともらす「不用品を捨てなくてはと思っているけれど、若い頃に思い切って買ったから捨てられない」「冷蔵庫を開けた途端に何をしにきたか忘れてしまう」といった発言は、いわばシニアの生活場面のポートレートであり、その蓄積によってシニアの生活を動画のように擬似観察することが可能となる。またシニアがなじんでいる拠点での商品試用は、生活に密着した意見を引き出すのに有効である。親しみのあるスタッフの参加により、当日だけでなく後日の「本当はこう思っていたんだけど」という情報を拾うこともできる。結果としてシニア向けの商品が充実することはもちろん、このような活動自体がシニアの生活のハリにつながる。

 ギャップシニア・コンソーシアムは今年度もこの仕組み作りを継続して実施している。特に商品開発に興味をお持ちになる企業のご参加をお待ちしている。


※執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。