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【通信・メディア】「スカイプ創業者、ウェブTV立ち上げへ」


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 IP(インターネットプロトコル)電話大手、スカイプの創業者であるヤヌス・フリス氏と二クラス・センストロム氏が、インターネットを通じてテレビ番組を提供する「ベニス・プロジェクト」と呼ぶ計画を進めている。
 サービスの特長の1つはハイビジョンに近い高画質画像を楽しめることだ。フリス氏によれば、サービスは中央にサーバーを置く形式ではなく、視聴者のコンピューターでネットワークを作るピアー・ツー・ピア技術を利用する。
 米動画共有サイトのユーチューブやビデオオンデマンドサービスと異なり、ベニス・プロジェクトは従来のTV放送と同じように番組が組まれたチャンネルとなる。フリス氏は「優れたテレビには画像の質や大きさも大事だが、チャンネルも重要だ」と話す。
(出所)NIKKEI IT PLUS(2006年12月19日)
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≪評≫浅川秀之〔研究員〕

 IPを利用した放送サービスが世界的に普及し始めようとしている感が強い。日本では、2002年の電気通信役務利用放送法の施行以降、通信事業者が放送サービス(多チャンネル放送やPPV、VOD)を提供し始めている。ただし、IPマルチキャスト方式を採用する事業者では、技術的な担保が現状では無いと判断されていることや、著作権問題などから、地上波放送の再送信は現段階では実施されていない。

 最近の総務省や関係事業者らの動向などを見ると、IPマルチキャスト方式での役務利用放送が既存の地上波放送と同等のコンテンツを提供できる可能性が高まっているともとれる。つまり、FTTHやADSL、将来的にはWiMAXなどを介して、地上波デジタル放送が視聴可能になることも現実味を帯びてきているといえよう。

 スカイプの当該サービスが日本で展開される予定は記事の記述の範囲内からは読み取れない。しかしながら、スカイプやその他のIPをベースとした通信・放送技術の世界的な進歩は、日本のIP放送の行く手にも少なからず影響をおよぼす。もちろん、IPベースの音声通信も然りである。最近では、スカイプのビデオ通話機能を用いて遠隔TV視聴を簡易的に実現する、USBチューナーユニットなども販売されている。IPベースでのサービスが何処まで拡大するのかは、需要側のニーズや提供者側の技術動向だけでなく、政府の法規制の動向なども含め、様々な観点から判断していかなければならない。

(注)☆「PPV」:Pay Per Viewの略で、映像コンテンツをダウンロードした回数に応じて課金する方式のこと。☆「VOD」:Video On Demandの略。ユーザーの見たい時にさまざまな映像コンテンツを配信するシステムのこと。

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