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【通信】「録画機器やテレビ携帯で遠隔操作」


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 KDDI研究所は、携帯電話を使って自宅のデジタル家電を遠隔操作できるシステムを開発した。情報家電を相互接続するネットワーク規格「DLNA」対応のテレビやパソコンを、専用モジュールを組み込んだ携帯で動かす。映像コンテンツ(情報の内容)を携帯の画面で視聴したり、友人宅に転送して再生するよう支持したりできる。2007年にも実用化を目指す。
(出所)日経産業新聞(2006年12月19日)

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≪評≫浅川秀之〔研究員〕

 DLNAとはデジタル・リビング・ネットワーク・アライアンスの略で、メーカーを問わずAV機器やパソコンをネットワークでつなぎ、機器間で動画や音楽などのやりとりができる相互接続のためのガイドラインを規定する規格の名称である。電器や情報通信分野の主要企業が250社以上参加している。

 このサービスは、携帯電話とインターネットにつながった自宅内に設置される専用機器から構成される。携帯電話からの操作が、インターネットを経由して専用機器に伝達され、専用機器に接続された各種機器との情報のやりとりが可能になる仕組みである。

 外出先から、自宅内の家電の操作が可能になり、自宅に保存された映像データなどを携帯電話で視聴することも可能になる。ホーム・ネットワークと携帯電話がつながることにより、携帯電話の利用用途が一気に広がる。ただし個人的には、携帯電話というせいぜい2インチ程度の画面で、どこまで実際に利用用途が拡大するかと考えると、それほど楽観視できないのではないかと思ってしまう。

 確かに、利用者の用事や課題を解決するような用途を挙げることは難しくない。外出先からエアコンのON/OFF制御や、セキュリティ面の確認ができると便利に違いない。しかしながら、例えば外出先で自宅内のハードディスクに保存された映像を携帯電話で見る、といったサービスになると、本当に利用者にとって重要な機能であり、この機能があることで当該サービスの魅力度が増すのか、と考えると少々疑問である。もちろんあれば便利かもしれないが、どちらかというと絶対に必要というわけではなく、利用者にとっては「無くても問題ないがあれば満足度が高まる」といった類のサービスともとれる。むしろどのように満足度を高めるのかという観点からは、コンテンツが消費されることで期待される経済性や利便性などのユーザー価値に着目すべきではないかと思われる。

 当該サービスの提供に際しては、「本当に必要な魅力的なサービス」か、「利用できなくても仕方がないがあれば満足」なのか、もしくは「なくては困る当たり前のサービスなのか」といった観点からその位置付けを分析することも重要ではないか。

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