コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経営コラム

【ハイテク】「独Qimondaの破産申請、DRAM市場には恩恵」

=====≪quote≫
 世界第5位のDRAMベンダーであり、約10%の市場シェアを占めているQimondaは23日、業界全体でのDRAM価格の大幅な下落と世界的な景気悪化を理由に、同業界では初めてとなる破産手続き開始を申請した。
 世界のDRAMチップ市場はここ2年連続で縮小しており、2009年もその傾向が続くとみられているが、独DRAMメーカーQimondaの経営破たんはこの250億ドル規模市場の苦境をいくらか和らげることになりそうだ。アナリストが1月26日、そう指摘した。
(出所)IT MEDIA NEWS(2009年1月27日)

=====≪unquote≫

≪評≫山浦康史〔研究員〕 

 DRAMの価格低下は供給過剰からくるものであり、市場からQuimonda社のシェアである10%の製品が供給されなくなれば、DRAMに対する値下げ圧力が弱まり、DRAMの価格が上昇すると考えられる。しかし、世界的な景気悪化による最終製品の需要減という根本的な問題は当面解決しないため、価格上昇も1次的なものにどどまるのではないかという見方ができる。

 これ以上DRAM不況が続けば、第2のQimonda社が出てもおかしくない状況にあるだろう。この不況下にあっては、供給過剰が止まるまでDRAM業界に我慢して残った企業のみが残存者利益を得ることができる、ある意味でチキンレースのような状況が生じている。

 また、日本の大手DRAMメーカーであるエルピーダメモリはQimonda社と技術提携をしており、今後の研究開発戦略に影響が出るのではないかと考えられるため、今後の動向に注目したい。

経営コラム
経営コラム一覧
オピニオン
日本総研ニュースレター
先端技術リサーチ
カテゴリー別

業務別

産業別


YouTube

レポートに関する
お問い合わせ