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【通信】「iPhoneアプリ「セカイカメラ」近日リリース」

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 頓智・がiPhone向けアプリケーション「セカイカメラ」を、2月17日から2月19日まで開催されていたファッション展示会「rooms」で初披露した。
 セカイカメラとは、「エアタグ」と呼ばれる情報を目の前の空間に登録したり、それをiPhoneの画面越しに見たりできるアプリケーション。現実の空間にインターネット上の情報をオーバーレイできる仕組みを実現する。
(出所)CNET Japan(2009年2月26日)

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≪評≫岡本俊哉〔研究員〕

 まず、モバイルネットワークの高度化を基礎とし、位置情報、画像処理など様々な高度技術をマッシュアップした斬新なオープンプラットフォームと言え、日本発という部分は素直に喜ばしいことである。ただし、技術的には課題も多いと考えられ、仮に日本で実現できたとしても、諸外国での普及の観点からは、インフラ面での劣位性から、時期尚早な感もある。

 米Google社が世界中の地図および航空写真をベースに、様々な情報をクリッカブルにしたことを、現実社会で実現する取り組みと見ることもできる。単純にベースが現実社会に変わっただけと考えれば、その場でカメラを通して見るだけで、商業店舗などの情報やクーポンなどを取り出すなど、利便性に関しては一定の価値があるだろう。

 しかしながら、そういった利便性の面を陽とすれば、応用技術には陰の部分を想像される。例えば、画像認識などの技術が組み込まれれば、人にタグをつけ管理することも可能かもしれない。この場合、当然ながら、フィルタリングにより特定の人からしか、その情報を見ることができない様になるだろう。 

 また、現実社会においてあらゆるモノに情報がタギングされることで、人の創造力が削がれていく可能性もあるだろう。リアルに感じ得たことや、記憶・知識などを、頭の中で考え、マッシュアップすることで、新たな発想や考えを創造するといったプロセスが一般的であるが、情報としてインプットされることで、考えが固定化することが危惧される(ただし、はたして、人がリアルにおいても、すべてモノをカメラというフィルターを通して見るようにはならないだろうということも想像されるが)。

 実現に向けては、技術面以外でも金融危機により投資余力が不足する中での、開発資金の調達やストリートビューに見られるようなポリティクス面での対応など課題もある。高度技術の裏にある負の要素も認識しながら、今後の動向を把握しておきたい。

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