1.はじめに
近年のユーロ圏の雇用情勢は、他の先進国・地域と同様、悪化傾向をたどっている。ただし、国ごとにブレイクダウンすると、経済規模の大きな5カ国(ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランダ)だけをみても、悪化度合いに大きなばらつきがみられる。
国ごとの雇用情勢のばらつきは、共通通貨・共通金融政策のもと、所得格差などを通じて域内不均衡を拡大させ、ひいては通貨ユーロの信認低下につながりかねない。
こうした問題意識から、本稿では、ユーロ圏の中核を担う上記の5カ国を対象に、雇用情勢のばらつきの状況やそれをもたらしている要因を整理したうえで、先行きについて展望した。
