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Sohatsu Eyes

自治体ごみの有料化

2005年08月23日 瀬戸 和佳子


ごみここ数年、家庭ごみを有料化する自治体が増えています。中央環境審議会が自治体ごみ有料化の推進方針を明らかにし、これを受けて、有料化に踏み切ったり、検討する自治体が増え始めています。
有料化の主な目的は、増え続けるごみの削減です。家庭から排出される一般廃棄物の最終処分場残余年数があと10年強といわれる中、各種のリサイクル法の整備や、マイバック運動に見られるごみの発生を抑制するための呼びかけ等が行われてきました。しかし、家庭ごみの排出量は年々増加しており、ごみを減らす抜本的な解決策が見出せない中、ごみの有料化に踏み切る自治体が増えているのです。

日本でいう「ごみの有料化」方法は、指定ごみ袋を販売するか、ごみに貼るシールを販売するのが一般的です。指定されたごみ袋に入っていないごみ、あるいはシールが貼られていないごみは、収集してもらえないことになります。では、このような方法でごみは本当に減るのでしょうか。あるいは、消費者の立場から考えて、課金されたからといってごみを減らす努力は可能なのでしょうか。

たとえば、先に触れたマイバック運動は、ごみを減らすための一つの方法です。スーパーやコンビニのレジ袋が減るだけでも、ずいぶん地球に優しいことをしているように感じます。また、各自治体が定めるリサイクルの方法を忠実に実行し、食品トレーやペットボトル、牛乳パックを洗って資源ごみとして出せば、ずいぶんごみの量は減るかもしれません。場合によっては、生ごみを堆肥化する機器を自宅に設置することも可能です。

しかし、このような時間や手間がかかる細かな作業を、学生や単身者に期待しても実現は困難であり、効果は得られないでしょう。また、いくら減量努力をしても、ごみを出さない生活は出来ません。一般に有料化によって得られる減量効果は、10%から多くても30%程度ですが、その後再びごみが増えて元に戻ってしまうところも少なくありません。住民は、従来より多くのごみ処理費用を負担しても、劇的な効果が得られるものではないのです。 考えてみれば、私たちは豊かで便利な世界に生きていると思い込んでいますが、「ごみ」の存在を思うと、ずいぶん不便で大変な仕組みに追いやられてしまいました。ごみを捨てるにも、細かな指示に従ってプラスチックを分別したり、容器を洗ったりしなければならないのですから。では、本当に豊かな社会とは何でしょうか?それは、物を購入して得られる便利さに加え、簡単にリサイクルできたり、捨てても環境の負荷を気にしなくて良い製品やパッケージが実現されることだと考えます。ごみの有料化の本当の意義は、単にゴミを減らすことではなく、消費者の購買行動に変化が生じ、環境負荷が低く廃棄のしやすい製品への要求が高まり、社会全体が持続可能な社会へと変革していくことではないでしょうか。対処両方ではない、ごみ有料化の制度設計が今、求められているのです。

※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。