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IoTの取り組みによる時代の転換点

2018年01月30日 井熊均


 先日ある企業のIoTの取り組みの現場に招待されました。IoTはモノのインターネットと言われますが、そのベースにあるのはセンサー革命です。データを取得できる範囲が広がり、センサーの性能が飛躍的に向上する一方で価格は劇的に下がり、あらゆるモノの状況をデジタルデータとして処理できるようになっています。最近、画像データの処理が性能的にもコスト的にも実用段階に入ったことで、データ解析の範囲が一層広がりました。

 IoTはありとあらゆるビジネスに影響を与えることになります。あらゆる商品、設備がセンサリングの対象となり、あらゆる生産工程がデジタル管理されるようになるからです。招待された企業は、こうしたIoTの変革を先取りし、生産プロセスも商品・サービス構成も大きく変えようとしていました。日本企業としてとても頼もしく思いました。

 一方、他の日は、ある業界の懇談会に招待されました。これからの事業戦略の議論でしたが、縮小する国内市場と、欧米、アジア勢との競争が厳しくなる一方のグローバル市場の狭間での厳しい状況が感じられました。

 明暗を分けた経験でしたが、日本の産業界が置かれた状況の縮図であるように思います。IoTは巷で言われるようなプラットフォーマーが全てを支配するような市場にはなりません。モノを理解しつくしてデータを取得し、制御することが不可欠だからです。見方を変えると、製造業にとって半世紀に一度くらいの革新のチャンスでもあります。しかし、革新の追い風が全ての企業に吹く訳ではありません。追い風を受けた企業とそうでない企業の差があっと言う間に広がるのがこうした大きな時代の転換点の特徴でもあります。

 製造業の位置づけが大きい日本ですから、少しでも多くの企業が革新の追い風を受けられるよう、巧みな企業運営、政策運営が展開されることを期待します。


※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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