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世界勢力構造の変遷から日本が学ぶもの

2017年05月23日 井熊均


 NHKの大河ドラマ「おんな城主直虎」を毎週楽しみにしています。直虎が活躍したのは、戦国の世が豊臣秀吉、徳川家康による天下統一へと向かっていった時代です。直虎は織田信長と同じくらいの年代ですから、昨年の大河ドラマ「真田丸」の主人公真田幸村の一世代先輩になります。天下統一に向けた勢力の形成に貢献した世代と言えます。

 これまで戦国時代のドラマというと、上杉謙信、武田信玄、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康といった英雄が主人公になることが多かったように思います。これに対して、井伊直虎、真田幸村は強大な武将に挟まれ、悩み苦しみながら時代を生き抜いた人物です。NHKが意図したかどうかは分かりませんが、今の時代に井伊直虎、真田幸村にスポットライトが当ったことは意味深く思えます。

 1945年第二次世界大戦が終わると、世界はアメリカとソ連を中心とする勢力に二分されました。1980年代になるとソ連は経済的に行き詰まり、1985年にはゴルバチョフ氏が共産党書記長に選ばれます。その後、アメリカを中心とした市場資本主義経済陣営が世界をリードしました。しかし、現在では中国の台頭、先進国経済の低迷や格差問題などで資本主義にも一定の軌道修正が必要になっています。ちなみに、1945年から40年遡ると、欧州が二つの勢力に分かれていく時代を見ることができます。

 このように世界の勢力構造の寿命が40年程度であるとすると、2020年代には新しい社会の動きが起きるかもしれません。昨年来世界各地で起こっている出来事がその前兆であるかどうかは分かりませんが、世界中が難しい時代に差し掛かっていることを否定する人は少ないでしょう。太平の世に向けて困難な時代を生き抜いた直虎や幸村の生き様に、今の日本が学べるものがあるように思うのです。


※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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