株式会社日本総合研究所（本社： 東京都品川区、代表取締役社長： 藤井順輔、以下「日本総研」）は、2012年11月1日、インド国グジャラート州（※）パンディット・ディーンダヤル石油大学（Pandit Deendayal Petroleum University、以下「PDPU」）と、「環境・エネルギー分野における日印相互交流の促進に関する覚書」を締結しました。

1．本覚書締結日
　2012年11月1日

2．グジャラート州における日本企業の進出
　急速な経済発展を続けるインドでは、日印両政府の積極的な取り組みの下、現地への日本企業の進出が続いています。中でも北西部に位置するグジャラート州においては、州政府の積極的な外資誘致政策もあり、過去7年間の同州への国内外からの投資額は、インド国内1位（※2012年インド合同商工会議所発表）となる約120兆ルピー（※約180兆円、１ルピー=1.5円の場合）に達しています。日印政府が進めている大規模開発計画地域であるデリー・ムンバイ間産業大動脈の中間に位置し、現在開発中である同州内の日本企業専用の工業団地には、自動車、電気、通信、不動産など多くの産業分野の企業からの進出が見込まれるなど、今後も経済交流が一層活発化することが予想されます。

3．本覚書の目的および内容
　日本総研では、日本企業のインド進出を支援するさまざまな取り組みを進めていますが、現地での市場調査や事業実現性調査などでは、複雑な法規制や組織体制、開発計画などの情報収集に時間を要するケースが多いのが実情です。そうしたなか、本覚書は、日本総研とPDPUと共同でそれらの最新情報をいち早く正確に収集し、さらに収集した情報を共有するプラットフォームを構築することで、より実効性のある支援を行っていくことを目的に締結されました。具体的には、PDPUは現地政府や現地企業とのネットワークを活かした現地の最新情報の収集を行い、日本総研は同州を中心にインドに進出中または進出予定の日本企業に対し、PDPUが収集した情報を活用したコンサルティングを行うことを想定しています。また、同州で特に投資が進みかつ日本企業の関心も高い環境・エネルギー分野においては、イベントやセミナーなどによる現地プロモーション活動や研究調査を共同で実施する予定です。
　今回のPDPUとの協業によって、インド、特にグジャラート州に関する情報へのアクセスが容易になり、今後の日本企業の現地進出や事業拡大への支援に大きく貢献できるものと考えます。

【パンディット・ディーンダヤル石油大学（PDPU）について】
　PDPUは、インド国グジャラート州において2007年に設立された、資源と環境・エネルギー分野に特化した工学系の大学である。設立には州石油公社（Gujarat State Petroleum Corporation Ltd）および同公社傘下の研究機関である州エネルギー調査研究所（Gujarat Energy Research and Management Institute）が携わっている。
　経営陣は、産官学からの出身者で構成されており、民間企業には同国の石油化学業界の大手企業であるリライアンス・インダストリーなどが、州政府では電力・石油局と高等教育局が、そして国内外の高等教育機関などの名前が連なる。

　PDPUホームページ：　http://www.pdpu.ac.in/　　（英語）

※ グジャラート州について
　グジャラート州は、インド北西部に位置する人口6,241万（2011年）の州である。最大都市であるアーメダバードは、首都デリーまでは北東に930km、商業都市ムンバイまで南に約530kmと、インドの二大都市の中間に位置し、道路や港湾等のインフラ整備が進む国内の重要な物流拠点である。
　同州では、石油化学をはじめ、医薬品、繊維などの製造業が古くから発展しており、インド国内全体における工業生産のシェアは約16％（※州政府資料、2009年度実績）を占める。また、2004年度から2009年度までの州GDPの平均年成長率は10.3%を記録した（※州政府資料による。なお同期間のインド全体の平均は9%）。
　州政府は積極的な産業政策によって工業団地の新設・増設、経済特区の設置、海外企業誘致を進めており、近年では特に自動車産業が急速に集積しつつある。今後もタタ自動車、プジョー・シトロエン、マルチ・スズキなどが工場建設を計画するなど、一層の発展が期待される州である。

本件に関するお問い合わせ先

総合研究部門　社会・産業デザイン事業部
グローバルマネジメントグループ　PDPU案件担当チーム　
電話： 03-6833-6710（直通）　 E-mail： rcdweb@ml.jri.co.jp