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Business & Economic Review 2011年8月号

【特集 2011~2012年世界経済改定見通し】
世界経済改定見通し

2011年07月25日 岡田哲郎


総論
─「エネルギー」「財政」が世界共通のアキレス腱。大震災は日本にとってボディブローに─

世界経済は、全体としてみれば、新興国を牽引役とする拡大局面が続いているものの、各国・地域を個別にみると、それぞれ景気に悪影響を及ぼしかねない問題に直面している。多くの国・地域に共通する問題は、「エネルギー」と「財政」に纏わるものである。それらは、直ちに世界経済の腰折れを招くほど切迫度が高いわけではないものの、一朝一夕の問題解消も見込みにくく、折に触れて混乱を惹き起こす、いわば「慢性疾患」のようなものと言えよう。
多くの国や地域が、程度の差はあれ、そうした慢性疾患への対応を迫られているなかで、日本は3月、東日本大震災という重篤な「急性疾患」にも見舞われた。大地震と大津波、およびそれに起因する原発事故・電力供給制約といった2次的災禍は、物理的にも経済的にも甚大な被害をもたらした。幸い、足許までの動きを見る限り、生産・消費活動の復旧・復元は当初予想された以上のスピードで進み始めている。今後は、政府による復興事業も加わり、日本の成長率は当面上振れする可能性が高い。もっとも、そうした高成長は手放しで歓べるものではない。当然のことながら、エネルギーと財政いずれの分野においても、日本は震災なかりし場合に比べて、大きなハンディを負うことになった。震災影響は、短期的視点では克服されつつあるように見えるものの、中期的には遅効性を伴うボディブローのように日本経済の成長力を蝕む要因となる恐れがある。
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