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東日本大震災の被災地では、復旧、復興に向けた懸命の...

2011年05月10日 井熊均


「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2011/05/10)
2011年の夏を乗り越えるための施策と次世代への足がかり
東日本大震災の被災地では、復旧、復興に向けた懸命の取り組みが続いています。一方、東京電力管内では今夏の電力不足が懸念されています。冷房需要により夏場の電力需要は今頃の季節に比べて2割程度も増加するからです。

大規模な停電を起こさないためには需要者側での節電も重要になりますが、猛暑になると、電力不足への不安が健康被害を引き起こす可能性もあります。生産活動に影響が出ることになれば、雇用機会の海外流出も進みます。既に、震災以来企業の海外シフトが加速していると言われています。
既に、今夏の電力不足に向けて多くの機関が提言を行っています。私どもでも、以下のURLにあるような提言をまとめました。正直言って、誰も気がつかなかったような秘策はありません。重要なことは手続きの順番と施策の実行体制です。

次世代のエネルギー政策(1)
2011年の夏を乗り越えるための施策と次世代への足がかり


前者の、健康被害や雇用機会の流出を最小限にするために第一に重要となるのは、東京電力管内の供給力をありったけ動員することです。同管内には既に織り込まれている以外にも、700万~800万kW★の自家発電設備があります。しかし、中型の設備を動員するには、発電できる状態にあるか、発電をお願いするに当たって燃料代をどのように補填するのか、などを一件一件検討しなくてはなりません。非常用発電を使用する場合には法律の特例措置も必要です。

後者については、実務に精通した足回りの良いマネジメント体制が必要です。今夏求められているのは需要ピークでの需給調整という瞬間、瞬間の対応だからです。動きが遅い体制で施策を進めることは、国民に過剰な節電を求めることにつながるでしょう。

今回の提言にまとめた施策を実行すれば、国民に過度の負担を強いることなく、今夏を乗り切ることができると信じています。国民の健康と日本の強さを守るために迅速な対応を期待します。

★「7,800万kW」から「700万~800万kW」に訂正いたしました。(2011年5月16日)

※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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