コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経済・政策レポート

Business & Economic Review 2010年4月号

【特集 金融危機後の欧州経済】
欧州金融危機の実相と展望

2010年03月25日 立命館大学国際関係学部教授 星野郁


問題の所在
アメリカのサブプライム問題に端を発した金融危機は、2008年9月のリーマン・ショックによって頂点に達し、文字通りのグローバルな金融危機として、欧州にも深刻な打撃を与えた。危機が顕在化した当初、危機は、専らアメリカにおける不動産バブルの崩壊と、不動産バブルを背景にハイリスク・ハイリターンの投機的ポジションをとったアメリカの金融機関とりわけ投資銀行による金融取引の破綻が原因とされた。それゆえ、欧州は、金融機関によるサブプライム関連金融商品への投資やノンバンクを通じた対米不動産融資を通じて、アメリカ発の金融危機に巻き込まれただけであり、被害者であるとの見方が一般的であった。しかし、リーマン・ショック以降、アメリカ同様欧州でも大手総合金融機関を中心に経営危機や破綻が相次ぎ、中東欧諸国でも次々と深刻な金融・経済危機が発生することで、欧州は決して金融危機の一方的な被害者ではなくて、むしろ自らも深く関わっていたことが明らかとなった。要するに、アメリカの金融危機は、一連の危機の単に引き金を引いたに過ぎない。さらに、時間の経過とともに、今回の金融危機によって欧州金融機関が被った損失の実態が明らかになるにつれ、欧州における金融危機の全容が次第にその姿を現しつつある。
経済・政策レポート
経済・政策レポート一覧

テーマ別

経済分析・政策提言

景気・相場展望

論文

スペシャルコラム

YouTube

調査部X(旧Twitter)

経済・政策情報
メールマガジン

レポートに関する
お問い合わせ