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◆訪問営業にWebチャネルを用いたチャネルミックスのアプローチ
月曜午後。ある情報通信サービスに関する簡易デューデリジェンス案件について、大手外資系証券会社の戦略投資グループ・ディレクターから電話があり、私のチームで引き受けることになった。また午後、情報通信政策に関する仕事の関係で、慶応大学環境情報学部の学生(4年生)と面談し、今週から同政策の仕事について補助して頂くこととなった。同学生の所属する研究室の助教授氏とは、日経デジタルコア の研究会や情報通信系シンクタンク主宰のユニバーサルサービス研究会で一緒になったこともある。2年ほど前だったか後者の研究会(T助教授もメンバーだった大学の経済学部、法学部の中堅・若手研究者が中心)の初回には、私が講師を務めたことを思い出した。
火曜午前。「研究本_勉強会」を8時半から実施。今回はコンサルティング営業部のI副部長による、この勉強会では初の担当だ。I副部長のコンサルティング営業担当領域に関する活動状況や課題などを、詳細なデータとともに披露頂いた。当日の討議内容の詳細は、「ソリューション型営業」ここに。私からはその場で「チャネルミックスによるソリューション型営業」についてメモ書きし示した。討議録の再掲をする:
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コンサルティングのような高度な知識を必要とするソリューションビジネスの場合、過度の営業は商品価値を下げることに繋がることさえある。足元を見られないことも大切。 ソリューションビジネスにおいてWebによる営業活動(≒情報発信)は大変有効である。これにはパターンがある。例えば、①「Put + Pull型」営業。 ただし、多忙な経営者層(クライアント幹部)は、Webを見る時間が十分取れないので、営業部員がPushできればよい。いわゆるチャネルミックスを通じ、図表のような②「Put + Push型」の営業により、並列チャネルを用いたシナジーを発揮する仕掛け・仕組みを構築する。 |
◆「通信・放送産業の課題と今後の展望」@経団連
水曜午前。日本経済団体連合会の産業第二本部から昨年依頼があり、情報通信委員会の次世代情報産業ワーキング・グループ向けに、「通信・放送産業の課題と今後の展望」について講演した。主な概要は、【1】通信・放送産業の国際競争力強化のあり方、【2】通信・放送の統合法制や仕組みをめぐる諸問題、【3】通信・放送の統合にとって望ましい法制度・仕組みのあり方、に関するもの。
同本部から、終了後≪情報通信産業の国際競争力強化のあり方から、放送産業の現状、新たな形態のメディア誕生等の分析を踏まえ、今後の通信・放送の統合にとって望ましい法制度のあり方等について、行政組織の再編等を交えながら、広範にご説明いただくとともに、忌憚のない意見交換をさせていただき、大変参考となりました。≫との礼状を頂いた。この種の場では、当方側(講師)のほうが一層勉強になるのではないかと思う。
同グループにて、2007年末まで次世代情報産業の在り方について議論を重ね、国へ報告書を提出するようだ。会場のテーブルには、NTT持株会社、KDDI、ソフトバンク、フュージョン・コミュニケーションズ、キャノン、トヨタ自動車、ソニー、日本IBM、東京ガス、みずほコーポレート銀行、東京海上日動火災、電通総研、楽天などの20社程度の企業担当者が参集していた。
私は先頭バッターであり、次回には慶応大(デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構教授)に昨年転じた、中村伊知哉氏らだそうだ。中村さんとは、昨年あるセミナーシリーズ(2010年通信業界マップ~激動するマーケットを完全ナビゲート~ )で、「通信・放送の融合」や「NGN」などに関するコーディネーターを、それぞれの会で引き受けたことがある。
ちなみに経団連の講演内容のうち、同【3】の主な項目は次の通り。近くその内容を≪ときどき感想帳≫に記述しておこう。
◇地上アナログTV放送終了後の空き周波数の有効利用 ◇規制フリーの「電波特区」の戦略的な活かし方 ◇通信・放送法制の今後の具体的イメージ案総務省などの府省再編
◆クリエイティブコモンズがイノベーションの温床
水曜午後。霞が関にて、ある府省と京都大学経済学部のI助教授チームとの間で、競争評価に関するミーティングをもった。その後夕刻、一番町の当社にて情報通信分野のある企業と、新たなサービスに関するブレインストーミングを行った。これで3回目。午前中の経団連で取り上げた項目(放送メディア分野の市場見通しなど)についても一部披露。そろそろ様々なアイデアが出て来たので、一旦は整理を行っておくべき段階となってきた。
中島聡さんのLife is beautifulというBlogの中に「こんな商品が欲しい! 」という興味深いページがある。偉いもので(太っ腹なことに)、中島さんは、≪アイデア料など請求しないので、心配せずに作って欲しい。このアイデアはクリエイティブコモンズだ。≫と随所に書いている。また、≪残念ながら、今の仕事と離れすぎているので、私が実際に手を動かして作るわけにはいかない。そこで、このブログで商品企画を公開し、商品化してくれる人・会社を募集することにした。「アイデア料」を請求したりはしないので、ぜひ作って欲しい。本気で作ってくれるなら、ボランティアで商品企画のコンサルティングもしたっていいぐらいだ。≫ことも。このようなオープンソース方式によるアプローチにこそ、イノベーションの温床(=soil)が横たわっている。実際、このBlogページからヒントを得て、別のいくつかのアイデアが浮かんだ。
◆MNP制度スタートでもたらされたユーザーの効用
木曜午前。あるところで、東大経済学部のO助教授のチームと携帯電話のMNP (モバイル・ナンバー・ポータビリティ)のこれまでの結果をどう分析・評価するかについてミーティングをもった。昨年(2006年)10月24日以降のMNPで、携帯電話3社間でユーザーが動いた。このMNPについては、日頃の経営コンサルティング・プロジェクトにて、かなりの程度分析済みだった。また、昨年の幾つかのセミナーやシンポジウムなどの場でも、その見通しを披露してきた。MNP実施前、そう多くのユーザーが利用しないだろうことを予測しており、実際その通りになった。
このミーティングでは、ポータビリティの効果がどの程度あったものかを分析・評価することが目的だ。携帯電話ユーザーにとっては、通信会社を変更することに伴う「効用」が、制度利用時の「転出手数料」2,100円と転入手数料(=0円)、および「新規契約手数料」の合計額を上回るかどうかが判断基準となろう。また、機種変更時や新規購入時などの端末価格の要素も加わる。「番号ポータビリティ手数料+解約料まとめ 」のページにうまく整理されている。
一方、この効用には、単純な支出合計額を超えた通信会社のブランド価値や、将来予定されている有望サービスなどの期待要素も入っていることだろう。支出合計額の観点では、今般のMNP制度のスタート前から、各社のユーザー獲得キャンペーンが見られ、既に実質ある程度の「サービス料金」の値下げ状況にあった。そこへソフトバンクモバイルの大幅値下げ攻勢が加わったことで、番号ポータビリティに伴うユーザーの通信会社選択には、サービス料金値下げという効用がベース(底辺)にある。言い換えると、ユーザーのMNP利用時には既にこうしたサービス料金の値下げ要素が織り込まれている。こうした各要素を考慮した分析が求められることになる。
◆イノベーション生起におけるマクロ政策と企業レベルのミクロ面の二律背反
木曜夕刻。日経デジタルコア1月勉強会「エリオット・マックスウェル元米国商務長官特別顧問を迎えて 」に参加を予定していたのだが、別件の準備などで残念ながら欠席。
金曜午前。当社研究事業本部の広報委員会に出席。昼には、霞が関にてFF会 の定例会に参加。今回は、紺野登氏 (多摩大学大学院教授、株式会社コラム代表)を講師に招いて「これからのナレッジイノベーション」 について勉強した。私が今回、紺野さんをFF会世話役会に推薦し、講師を依頼した関係もあり、当日は私が司会役を務めた。文科省のO局長(昨年度は私とともに、FF会の代表幹事)や内閣府のM政策統括官(イノベーション25特命室長、科学技術政策担当。FF会の一昨年度代表幹事)や研究機関・企業などから30名程度が参加。
イノベーションの生起は、安倍政権の上げ潮政策において、経済成長を促す大きな要素として期待が集まる。内閣府では「イノベーション25戦略会議 」を通じ、マクロ政策として取り組もうとしている。しかし、イノベーションは紺野さんが講演したように、国や社会的なフレーム環境が整備されていることが大切である一方、イノベーションそのものは企業が担う領域だ。その意味では、過分なマクロ政策が企業の新陳代謝を阻害することになれば、現下の経済成長の源泉となるTFP(全要素生産性)の成長を鈍らせかねない。この二律背反のバランスを産官学でとることが求められている。
◆1,000枚の写真・絵よりも1つのプロトタイプの方がよい
金曜夕刻。情報通信分野のある企業から、関係市場のコンバージェンスの行方を踏まえた、シナリオ見通しとそのシナリオに基づいた戦略サービスに関する分析・評価に関する相談を受けた。昨年も同時期に同様のプロジェクトを実施していたこともあり、コンペなしでの当社への依頼だった。来週末を目途にプロポーザル(企画書)を提出し、条件などの折り合いがつけばプロジェクトをスタートさせることとなる。
また、同社の別部門から、アジア、北米、欧州にまたがる海外ケーススタディに関する相談を受けた。私自身もこれまで、仕事で海外にはかなり行っている。現地の企業や政府・大学機関などの幹部とのビジネスミーティングでは、アポイントメントを取り付けて、訪問地リストを整え旅程(itinerary)を組むことに、かなりの手間と神経を使う。キーパーソンに会うことに大きな意味があるからだ。従って、こうした手間をかけても、現地で対面のミーティングをもつことの貴重さを強調し過ぎることはない。その場から伝わるトータルな雰囲気、さらには帰国後にも継続される人的ネットワークなど、eメールや電話だけヒアリング方法では得がたいものが、毎回多々感じられるからだ。まさに「Seeing is believing」だ。
またできれば、その現地ミーティングにて、こちらが聴きたい・確認したいことに関しモックアップ(模型、プロトタイプ)がその場に用意できているとよい。写真や絵でもよい。米IDEO社のTom Kelly氏は、著書『発想する会社!(The Art of Innovation) 』で概ね次のようなことを書いている。「1,000の言葉よりも1枚の写真・絵。1,000枚の写真・絵よりも1つのプロトタイプの方がよい」と。今回は私のスケジュールの調整がつかないだろうから、米国(シリコンバレーなど)や欧州(ドイツ・フランクフルトなど)の、私が信頼する現地ビジネスパートナーらの助力を得て、残念ながら私抜きの体制を組む必要がありそうだ。
◆ネットカフェ難民
日曜深夜。民放テレビとしては珍しくよい番組『NNNドキュメント’07』を視た。民放テレビは視るべきものが殆どないのだが、たまたまDVDに録画していた。タイトルは「ネットカフェ難民(漂流する貧困者たち) 」。制作は日本テレビ〔2007年1月28日(日)/30分枠〕。
≪社会のあちこちで目に付く格差の広がり。生活困窮者を支援するNPOや生活保護ケースワーカーの間で最近話題になっているのが“現住所・ネットカフェ”という若者たちだ。「完全個室・宿泊可」と書かれたネットカフェ。東京だけでなく、大阪、仙台、札幌、北九州などにも孤独な宿泊者は存在する。ネットカフェといってもリクライニングシートがついた優雅なものではない。狭い部屋で堅いイスにひと晩中座ったまま何ヶ月も眠る。バイトを転々として食いつなぎ、健康や将来の不安を抱えながら希望が見つからない若者たち。その実態を追う。≫
ショッキングな内容だった。二十歳前後か少し過ぎたぐらいの男女の若者が、生活に困窮しながら一生懸命に生きている姿が描かれていた。その女性が、これ以上自分が落ちないようにと、かわいらしい手帳に前向きな言葉を毎日のようにいくつも記し、自身を奮い立たせて生きている。こうした実態を放置しておいて、日本が豊かな国とは到底言えない。個人や家庭の問題もあるだろうが、政府として放置できない根深い教育問題が横たわっている。このような番組を他の民放会社にも期待したい。
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