【通信】「「我が道」PHS地歩-ウィルコム好調」
≪評≫浅川秀之〔研究員〕 DDIポケットからウィルコムに生まれ変わった2005年以降、ウィルコムの加入者数は増加を続けている。モバイル環境下で、ある程度の実効速度が利用でき、しかも定額であるという同社のサービスは、携帯電話事業者ではなかなか真似のできない優位性を築いている。携帯電話事業者が「たたき合い」をしていることを尻目に、着々とその優位性を活かし業績を伸ばしているといえよう。ただし「たたき合い」とは、ブロードバンド化、コンテンツ化を軸とした厳しい競争のことであり、競争の当事者は大変苦しいであろうが、競争を通じて獲得される技術やサービスの進歩は著しい。 競争による淘汰に勝ち残るためには、携帯電話事業者は帯域やサービスの面だけでなく、価格面においても相当に競争力を兼ね備えなければならない。近い将来ウィルコムは、「たたき合い」で勝ち残った携帯電話事業者と勝負していかなくてはならない。「たたき合い」こそないものの、ウィルコムにとっても今は将来に向けた正念場と捉えることもできるのではないか。 |