海外へ大量流出する中古EV その電池がもつ次の可能性とは|日本総研

海外流出する中古EV、​
電池の次の可能性を引き出せれば、​
大きなビジネスチャンスでは?​

8兆円規模の新市場の実現へ。中古EV電池を日本の「資源」として活用する

脱炭素化とEV(電気自動車)普及が進む一方、国内の中古EVの多くが海外へ流出していることが問題となっています。車載電池を定置電池などにリユースしたり、その中に含まれるレアメタルをリサイクルしたりできる市場を創出することが、資源安全保障と新市場創出の両面で必要と考えられるからです。そこで日本総研では、電池の残存価値診断、循環市場の制度・指標づくり、産官学連携、提言発信、地域実装支援までを一気通貫で推進することで、2050年には潜在市場規模が約8兆円にも上る可能性を持つEV電池サーキュラーエコノミーの実現に取り組んでいます。

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中古EVは国内に残すべき「財産」

車載用途を終えたEV電池は、リユースにおいても回収したレアメタルのリサイクルにおいても価値の高い「資源」です。しかし日本総研の試算では、現在、中古EVの8割超が電池を積んだまま海外へ流出してしまっており、国内で循環利用する市場を形成するのは難しい状況にあります。

電池が持つポテンシャルを最大限に引き出し、日本の「財産」として国内循環の仕組みを確立すること、それはビジネスの枠を超え、資源安全保障を確立させるための重要な鍵となります。

構想から実装までを推進。多様なプレイヤーをつなぎ、ビジネスチャンスを広げる

日本総研は、EV電池のサーキュラーエコノミーについて、構想の提起にとどまらず、社会実装までを見据えた取り組みを段階的かつ着実に進めてきました。2020年に設立した「BACE(Battery Circular Ecosystem)コンソーシアム」では、翌2021年に複数メーカーの中古EV電池の価値を短時間で診断する手法の有効性を確認し、2022年には診断と情報管理を統合した評価システムの事業化を実証するなど、車載電池の価値診断とデータ連携の基盤構築を発展させてきました。

さらに2024年に立ち上げた「EV電池スマートユース協議会」では産官学の連携を一段と拡大させ、需要側を起点として電池を賢く長く使う「スマートユース」という新たなアプローチを提唱しています。2025年には「EV電池サーキュラーエコノミー白書」の発表や福岡県との包括連携協定を通じて、市場の規格・指標づくりから各種技術の社会実装支援、地域での循環モデル検討まで、活動の幅を大きく広げ続けています。

日本総研は、産官学の多様なプレイヤーをつなぎ、政策・市場・技術・制度の壁を越えて、構想から実証、ルール形成、そして地域実装まで、総合的な伴走支援を力強く推進しています。

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