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リサーチ・アイ No.2024-013

グリーン関連製品の「脱中国」推進がEU経済を下押し ― グリーンフレーションや中国による対抗措置の恐れ ―

2024年05月01日 藤本一輝


近年、EUは中国への過度な依存を脱却するデリスキングを推進。とりわけ、グリーン関連製品では輸入に占める中国製品の割合が大きく、今後の成長戦略で重要となる原材料・製品などの調達先を分散・多様化させることが大きな課題。たとえば、太陽光パネルに使用される光電池では輸入の9割強を中国が占めているほか、電気自動車でも中国からの輸入が急増。

デリスキングは経済安全保障上重要である一方、以下2点からEU経済に悪影響を及ぼす可能性大。第1に、グリーンフレーション。中国製品は、比較的安価な人件費や豊富な資源、政府による補助金などにより、総じて他国製品に比べて割安。一方、先行きもEUにおけるグリーン関連製品への需要が増加するのは確実であり、仮にデリスキングの実施で他国製品への代替や中国製品の関税引き上げを実施する場合、EU域内物価の上昇は避けられず。

第2に、中国による対抗措置。昨秋にEUが中国製電気自動車への補助金調査を開始した後、中国は昨年12月から黒鉛の関連品目の輸出を規制。中国は黒鉛の採掘・加工の大部分を占めており、EUが中国依存を脱するには時間を要する公算。黒鉛は車載用電池などの生産に用いられており、中国政府が関連品目の禁輸に踏み切れば、EUでのグリーン関連製品の生産が停滞する可能性大。


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