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リサーチ・フォーカス No.2020-020

コロナ禍における医療機関への経済支援の在り方と今後の医療提供体制

2020年08月27日 飛田英子


新型コロナウイルス禍で医療機関の収益悪化が深刻化するなか、医療機関全体に経済支援を求める声も。本稿は、足元の患者動向と医療機関の経営状況を整理した後、経済支援の在り方とアフター・コロナの医療提供体制について考察。

患者動向については、まず、医科(入院と入院外)、調剤および歯科の診療種類のうち、入院外と歯科で患者数が大きく減少する一方、1件当たり点数は上昇。このことは、医師が収入を維持するために必要以上のサービスを提供する、いわゆる医師誘発需要を作っている可能性を示唆。
また、年齢や就業の有無によって受診抑制の程度に差があることが確認。具体的には、高齢者と現役就業者で相対的に患者数の減少が軽微。生活習慣病をはじめとする慢性疾患に罹っている率が高いことを考えると、感染リスクに関係なく受診せざるを得なかった事情が推察。

経営状況については、コロナ患者対応の有無別では、収益の悪化度合いは、対応病院の方が未対応病院に比べて大。対応病院に対しては診療報酬の引き上げなどが行われたものの、経営悪化に歯止めをかけるには至っていない模様。なお、全国保険医団体連合会による調査によると、感染リスクを恐れて患者が受診を中断した結果、病状が悪化したケースが数多く指摘。

医療機関への経済支援とアフター・コロナの医療提供体制に必要な視点について考察すると、以下の通り。
第1 に、経済支援はコロナ患者対応医療機関に重点化すべき。現在の医療機関の経営悪化は、これまでの過剰受診による収益の水膨れが剥落した側面があることは否定できず。未対応医療機関への支援は、レセプトデータなどを分析したう
えで、これまで必要な医療を提供した医療機関に限定すべき。
第2 に、オンライン診療の利用拡大に向けた環境整備の推進。オンラインで懸念される医療の安全を担保する一方、患者や医療機関の要件緩和を進める必要。
第3 に、かかりつけ医制度の導入。患者を継続的・総合的に診る「かかりつけ医」の存在は、オンライン診療の普及に資するのみならず、医療資源の有効活用や患者の満足度の向上につながることが期待。

・コロナ禍における医療機関への経済支援の在り方と今後の医療提供体制(PDF:685KB)
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