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中国グリーン金融月報【2022年1月号】

2022年02月14日 王婷


「中国グリーン金融月報」1月号をお届けします。

1.今月のトピックス
【生態環境部&商務部】「対外投資協力建設プロジェクトにおける生態環境保護に関するガイドライン」
対外投資協力において持続可能な発展とグリーンな「一帯一路」建設を促進し、対外投資協力における環境管理水準を向上させるため、生態環境部と商務部は「対外投資協力建設プロジェクトにおける生態環境保護に関するガイドライン」を策定した。
https://www.mee.gov.cn/xxgk2018/xxgk/xxgk05/202201/t20220110_966571.htm
コメント:2013年に策定された「対外投資協力における環境保護に関するガイドライン」を改正したもので、24項目で構成される。主な特徴は3つある。まず、プロジェクトのライフサイクルマネジメントにおいて自然環境保護に関連する要求が盛り込まれた点である。プロジェクト建設前、建設期間中、運営期間中、撤退段階などの各プロセスにおいて講じるべき自然環境保護の項目が定められている。第二に、自然環境保護の意味合いを明確にした点である。自然環境保護や汚染防止に加え、気候変動への対応、生物多様性の保護が含まれることになった。特に、本ガイドラインでは、気候変動対策と生物多様性保全関連の項目が提示された。例えば、低炭素・炭素クレジットプロジェクトに積極的に参加し、途上国のグリーン・低炭素開発を支援すること、プロジェクトの場所選定は、地域の生態学的機能と位置づけを十分に考慮し、地域の生物多様性への悪影響を低減することが盛り込まれた。第三には、適用範囲を海外で行う新規建設(改築・増築を含む)プロジェクト、買収・合併プロジェクト、請負プロジェクトなどと明記した点である。
 2021年、中国企業の海外請負プロジェクトだけで8600億元強の規模に達している。中国政府は、ガイドラインの改正を通じて、中国企業の海外投資をグリーン・低炭素へ導くとしている。


2.今月のニュース
(1)-① 中央政府・グリーン金融
【交易商協会】グリーン金融債の存続期間中の情報開示に関する自主規制の強化

 1月17日、交易商協会より「グリーン金融債の期間中の情報開示に関する自主規制管理の強化について」という通達が出され、グリーン金融債の発行者はグリーン金融債の期間中の情報開示を適切に行うこと、四半期ごとに資金使途を市場に開示すること、毎年4月30日までに前年度の資金使途に関する年次報告書および特別監査報告書を開示することなどが盛り込まれた。発行者は、調達資金等の運用に関する情報の開示を重視し、通達付属の報告書式に従って、報告期間中のグリーンプロジェクトに関する情報を完全に開示する必要がある。交易商協会はグリーン金融債の発行期間中の情報開示を継続的に監視・調査し、市場機関からのフィードバックや評価情報をまとめ、関連情報を定期的に中国人民銀行に報告するという。
2022-1-19 交易商協会
http://www.nafmii.org.cn/ggtz/tz/202201/P020220117571784117412.pdf

【生態環境部&中国輸出信用保険集団】戦略的協力協定に調印
 1月20日、生態環境部と中国輸出信用保険集団は北京で「グリーンシルクロードの建設促進に向けた協力に関する戦略的協力協定」に調印した。
 両者は戦略的協力協定の締結を契機に「一帯一路」沿線グリーン発展国際連盟と自然環境保護ビッグデータサービスプラットフォームに依拠して、「一帯一路」沿線のグリーン発展推進の重点分野で協力し、「一帯一路」国家と「海外へ進出」企業にグリーンソリューションを提供し、「一帯一路」の高品質発展を共にしっかりと推進するという。
 協定で両者は「一帯一路」建設プロジェクトの自然環境管理、情報共有、能力開発における協力を行い、グリーンと低炭素の発展を促進することを明記している。
2022-1-22 生態環境部
https://www.mee.gov.cn/ywdt/hjywnews/202201/t20220122_967945.shtml

【国家能源局&中国農業銀行】戦略的協力協定に調印
 1月24日、国家エネルギー局と中国農業銀行は戦略的協力協定に調印した。
 国家エネルギー局と中国農業銀行は銀行と政府の協力を深め、クリーンエネルギーシステムの育成を加速し、グリーン金融支援を通じて農村エネルギーの転換を促進するための協力メカニズムを構築する予定である。
 第14次5ヵ年計画期間中、中国農業銀行はエネルギー部門に3兆元の融資支援を行う方針で、そのうち県級地域のエネルギー関連部門に1兆元を支援するという。
2022-1-24 国家能源局
http://www.nea.gov.cn/2022-01/24/c_1310438493.htm

【生態環境部】党部会議が開催、炭素取引主体の範囲の拡大を検討
 1月27日に開かれた生態環境部党部会において、炭素排出権取引管理に関する暫定規則の早期発行の推進、国家炭素市場のデータの品質管理と炭素市場の運営管理の強化、2年目契約履行への取り組み、炭素市場の業種範囲と取引対象範囲の拡大の検討の重要性が強調された。また、温室効果ガスのデータ集計、データ管理、コンプライアンスに関する長期的なメカニズムを確立・改善し、炭素モニタリングと評価の試験的実施を継続し、メタンなどの非CO2温室効果ガスの管理を強化し、科学技術と人材育成の支援を強化し、グリーン・低炭素技術の研究開発・普及・応用への支援を奨励する、などの方針が強調された。
2022-1-28 生態環境部
http://www.gov.cn/gongbao/content/2013/content_2427290.htm


(1)-② 中央政府・「3060目標」、その他
【国家林業草原局】国家基準「林業炭素クレジットプロジェクトの審査と認証に関するガイドライン」を実施

 国家基準「林業炭素クレジットプロジェクトの審査と認証に関するガイドライン」が正式に発効した。
 このガイドラインは、林業二酸化炭素クレジットプロジェクトの審査と認証の基本原則を定め、林業二酸化炭素クレジットの検証と認証のための用語、手順、内容、方法に関する指導を行い、中国自主排出権削減取引市場、その他炭素削減メカニズムや市場における林業二酸化炭素クレジットの検証と認証に適用されるものである。
2022-1-10 国家林業草原局HP
http://www.forestry.gov.cn/main/586/20220110/092515337991307.html

【国務院】「第14次5ヵ年デジタル経済発展計画」を発表
 国務院は先ごろ、「第14次5ヵ年デジタル経済発展計画」を発表し、14次5カ年計画期間におけるデジタル経済の健全な発展を促進するための指導思想、基本原則、発展目標、重要任務、保障措置が明記した。
 この計画では、8つの重要課題を展開した。①デジタルインフラの最適化・高度化。情報ネットワークインフラの建設を加速し、クラウドネットワークシナジーとコンピューティングネットワーク統合の発展を促進し、インフラの知的アップグレードを秩序立てて推進する。②データエレメントの役割を十分に発揮させること。高品質のデータ要素の供給を強化し、データ要素の市場指向の流通を加速させ、データ要素の開発と利用のメカニズムを革新する。③産業のデジタル変革を強力に推進すること。企業のデジタル化とアップグレードを加速し、重点産業、工業園区、クラスターのデジタル化を深化させ、変革支援サービスのエコロジーを育成する。④デジタル産業化の推進を加速させること。キーテクノロジーのイノベーション能力を強化し、新産業と新モデルの育成を加速し、豊かで秩序あるイノベーションエコロジーを創造する。⑤公共サービスのデジタルレベルを継続的に向上させること。インターネット+行政サービス」の効果を高め、社会サービスのデジタル・インクルージョンを強化し、デジタル都市と農村の一体的発展を促進する。⑥デジタル経済のガバナンス体制を整備すること。協調的なガバナンスと規制の仕組みを強化し、政府のデジタルガバナンス能力を高め、新しいパターンの多重統治を改善する。⑦デジタル経済のセキュリティシステムの強化に注力すること。ネットワークセキュリティの保護機能を強化し、データセキュリティを向上させ、さまざまなリスクを効果的に防止する。⑧デジタルエコノミーにおける国際協力を効果的に拡大すること。貿易のデジタル発展を加速し、「デジタルシルクロード」の深化発展を促進し、良好な国際協力環境を構築する。
 これら8つの主要課題を中心に、情報ネットワークインフラの最適化・高度化など11の特別プロジェクトが明記されている。
2022-1-12 新華社
http://www.gov.cn/xinwen/2022-01/12/content_5667840.htm

【国家発展改革委員会等7部門】「グリーン消費促進実施計画」を発表
 国家発展改革委員会、工業情報化部、住宅都市農村開発部、商務部など7つの政府機関は共同で「グリーン消費促進実施計画」を発表した。
 「グリーン消費促進実施計画」では、グリーン消費を促進するための政策体系を設計し、4つの分野で重要な課題と政策措置を打ち出した。1.重点分野での消費のグリーン化を総合的に推進する。食料や衣料、住宅、交通分野の消費のグリーン化を強化し、グリーン商品の消費を推進し、文化・観光のグリーン消費を導き、社会全体のグリーン電力消費の潜在力をさらに高め、公的機関の消費のグリーン化を推進する。2.グリーン消費技術・サービス支援を強化する。先進的なグリーン・低炭素技術の適用を推進し、生産・供給・販売チェーン全体の円滑な連携を促進し、グリーン物流の発展を加速し、遊休資源や中古取引の共有・活用のチャンネルを広げ、使用済み・廃材のリサイクルシステムを構築する。3.グリーン消費を保証する健全なシステムを構築。法制度の整備を加速し、標準認証制度を最適化・改善し、統計的な監視・評価システムの構築を模索し、グリーン消費情報プラットフォームの構築を推進する。4.グリーン消費のインセンティブと抑制政策を改善する。財政支援の精度を高め、財政支援を増やし、価格メカニズムの役割を十分に発揮させ、市場に基づくインセンティブを促進し、違法行為やコンプライアンス違反の処罰と抑制を強化するという。
2022-1-21 国家発展改革委員会
https://www.ndrc.gov.cn/fggz/jyysr/jysrsbxf/202201/t20220121_1312653.html?code=&state=123

【交通運輸部】「グリーン交通14次5ヵ年発展計画」を発表
 先ごろ、交通運輸部はグリーン交通の発展に関する第14次5カ年計画を発表した。
 同計画では、公害・二酸化炭素削減、エネルギー使用構造、輸送構造の観点から8つの目標を設定し、2025年までに営業車両と船舶の単位輸送回あたりの二酸化炭素排出量を2020年比でそれぞれ5%、3.5%削減し、都市公共交通、レンタカー、物流における新エネルギー車の割合をそれぞれ72%、35%、20%とした。
 計画では、7つの重要任務が提案された。①空間構造の最適化、グリーン交通インフラの構築、グリーン道路建設の深化に注力し、グリーン港湾・水路の建設を推進し、交通資源のリサイクルを促進する。②交通構造の最適化、総合交通のエネルギー効率の向上、バルク貨物・中長距離貨物輸送の「公共から鉄道へ」の移動促進、交通組織の効率化、グリーン旅行システムの構築を加速する。③新エネルギー利用の促進、低炭素交通システムの構築、新エネルギー・クリーンエネルギー交通設備の利用促進、海岸線運送を加速すること。新エネルギーの応用を促進し、低炭素交通システムを構築し、新エネルギーとクリーンエネルギー交通設備の応用を加速し、陸上電力設備の正常使用を促進する。④交通公害の徹底処理を促進し、運転車両、船舶、港の汚染防止と管理のレベルアップに力を入れる。⑤イノベーション主導を主張し、グリーン交通科学技術支援を強化し、グリーン交通科学技術イノベーションを推進し、省エネ・環境保護重点技術の推進と応用を加速し、グリーン交通規格・仕様システムを改善する。⑥推進メカニズムを改善し、グリーン交通監督システムを改善し、グリーン交通評価・監督を強化する。⑦協力メカニズムを改善し、国際交流と協力を深め、交通安全と地球環境ガバナンスに深く参与する。
2022-1-27 交通運輸部
https://www.mot.gov.cn/jiaotongyaowen/202201/t20220127_3638474.html?from=timeline

【生態環境部】「生態環境モニタリング14次5ヵ年計画」を発表
 「生態環境モニタリング計画綱要(2020-2035)」を実施し、自然環境モニタリングの現代化を加速するため、生態環境部は最近「第14次生態環境モニタリング5ヵ年計画」を発表し、自然環境の質の継続的改善のためのモニタリング支援を総合的に強化し、汚染削減と炭素削減の相乗効果を推進することにした。
2022-1-23 生態環境部
https://www.mee.gov.cn/ywdt/hjywnews/202201/t20220123_967954.shtml


(2)-① 地方政府・グリーン金融
【湖州市】工商銀行安吉出張所、竹林炭素クレジット産業の発展に資金を注入

 12月28日、安吉二山竹林炭素クレジット取引プラットフォームが正式に発足した。これは、中国初の県レベルの竹林炭素クレジット取引プラットフォームである。
 12月6日、国家林業草地局、発展改革委員会、科学技術部など10部局は、地方における森林・竹林炭素クレジット取引プラットフォームの構築と炭素クレジット取引パイロット事業を奨励する意見を発表した。
 工商銀行湖州支店は、安吉竹林クレジットの回収・貯蔵・取引メカニズムの構築を推進するため、竹林炭素クレジットの生成、貯蔵、利用に向け総合的な金融ソリューションを設計し、10.42億元の金融サービスを提供する。
2022-1-2 湖州緑金办
http://www.greenfinance.org.cn/displaynews.php?cid=71&id=3599

【中国人民銀行広州支店】マカオの本土非金融企業向け初のグリーンボンド発行プロセスを公開
 中国人民銀行広州支店は、12日、広東省金融研究院とマカオ銀行協会と共同で作成した「大陸非金融企業のマカオにおけるグリーンボンド発行プロセスに関する参考資料」を発表した。これは、中国本土の非金融企業がマカオでグリーンボンドを発行する際に参考となる資料である。
 2021年12月、明陽智能能源集団有限公司(以下:明陽集団)は、マカオ債券市場において、非金融企業による初のグリーンボンド発行となる2億米ドル3年債の発行に成功した。
 より多くの本土非金融企業がマカオでのグリーンボンドの発行に関する業務ポイントや業務プロセスを理解・把握できるように、本土企業によるマカオでの債券発行の政策や規制、明陽集団の事例を整理したという。
2022-1-12 中国新聞網
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1721725001388143192&wfr=spider&for=pc

【山東省】グリーン金融政策を有効に活用するため、省環境金融プロジェクト銀行を設立へ
 近ごろ、山東省生態環境局は「2022年第1四半期を支援する20の措置」を発表した。措置においては、省級重要プロジェクト台帳の作成、省級環境関連プロジェクトデータバンクの構築、グリーン金融政策を活用するなどの方針を明記した。
 グリーン金融政策について、地方の環境保護金融プロジェクトデータバンクを構築し、中国人民銀行が推進している年間150億元の環境保護専門借り換えと特別信用融資、中国開発銀行が実施している3年間で500億元の特別信用融資を有効に利用する。気候変動投融資322億元に加え、より多くの資金を気候変動対策に向け、促進するという。
2022-1-15 魯網
https://www.sdnews.com.cn/sd/yw/202201/t20220115_3986797.htm


(2)-② 地方政府・「3060目標」、その他
【河北省】 鉄鋼、セメント、フラットガラス1,000社企業をグリーン工場に改造

 河北省工業情報化部の「河北省グリーン産業発展第14次5カ年計画」がこのほど発表され、河北省はエネルギー消費量が多く、排出量の多い企業1000社を審査・特定し、「千社緑色転換」プロジェクトを実施することが明記された。「千社緑色転換」プロジェクトデータベースを設立し、省の鉄鋼、セメント、板ガラス産業の主要企業はすべて対象となり、省級レベルのグリーン工場として建設される予定。本プロジェクトの実施を通じ、企業に対して「一対一」の診断サービスと「一企業一施策」を提案し、先進的で適用可能な生産技術、設備を用いて改修を実施する。
2022-1-3 每日経済新聞
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1720916687354370055&wfr=spider&for=pc

【広州先物取引所】ドイツ取引所グループとMOUを締結
 広州先物取引所とドイツ取引所グループはこのほど、グリーン金融分野における国際協力関係を模索するため、覚書を締結した。
 覚書によると、双方は今後、中欧グリーン金融協力メカニズムを構築し、市場調査、市場プロモーション、投資家教育におけるリソース共有を強化し、炭素排出権などのグリーン開発商品における協力の可能性を探っていくとしている。
2022-1-20 広期所
http://www.financeun.com/newsDetail/46988.shtml

(3) 業界・金融機関
【上海国家会計学院】低炭素社会における新たな企業管理会計のあり方に関する研究報告書:ダブルカーボン目標を設定している企業はわずか14%、最大の要望は税制優遇措置

 ACCA(公認会計士協会)と上海国家会計学院は共同で「低炭素社会における企業管理会計の新たな実践に関する研究報告書」を作成した。
 報告書によると、65%の企業は明確な低炭素基準の早急な実施と、低炭素化に向けた独自の戦略目標・計画を策定し、リスクをコントロールし十分な資金を確保した上でビジネスモデルや生産技術の転換・高度化を積極的に試みるために、より多くの資金援助を期待している。金融支援については、グリーンクレジットなどの間接金融や戦略投資の導入などの直接金融に比べ、金融・税制上の優遇措置の必要性が指摘され、73%の企業が回答する最も明確な期待であった。
2022-1-12 第一財経
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1721735057330778325&wfr=spider&for=pc

【国家開発銀行】 150億人民元の5年物グリーン金融債を発行
 1月19日に、国家開発銀行は、全国銀行間債券市場でグローバル投資家向けに150億元の「低炭素交通システム建設」グリーン金融債を発行した。償還期間が5年、クーポンレートが2.45%、募集倍率が3.36倍である。
 債券で調達した資金は広東省、江蘇省、浙江省、山東省、陜西省の公共交通システムの改善支援を中心に、都市鉄道輸送やその他のインフラグリーン化プロジェクトに充当される。
 債券発行による調達プロジェクトの審査はいずれも「グリーンボンド支援プロジェクトカタログ」「グリーンボンド原則」「気候変動ボンド基準」などの国内外の基準に準拠し、第三者機関による独自の評価・認証を受け、国際気候変動ボンドイニシアティブによるラベル(グリーン格付け:G1)を取得したものである。
2022-1-20 金融時報
https://www.cebnet.com.cn/20220120/102790033.html

【中国銀行&中国建設銀行】雄安新区に初の二酸化炭素排出削減支援スキームが適用
 中国銀行と中国建設銀行河北雄安支店は、中国人民銀行から炭素排出削減支援スキーム資金1億5400万人民元を受け取った。河北雄安光大環境産業園と河北緑源地熱エネルギー開発有限公司の2社に、2億5700万元のグリーン融資を提供し、二酸化炭素の削減量が約14,900トンとなるようする。
 二酸化炭素排出削減支援プロジェクトの第二陣が申請中という。
2022-1-20 中国雄安ホームページ
http://www.xiongan.gov.cn/2022-01/20/c_1211536770.htm

【上海環境交易所など】カーボンニュートラルインデックスを1月20日に上海で発表
 中证指数有限公司が上海環境交易所と共同で編集した「中証上海環境交易所カーボンニュートラルインデックス」 を発表した。
 「中証上海環境交易所カーボンニュートラルインデックス」の発表は、グリーン株価指数体系を豊かにし、投資家にグリーン投資を行うための新しい分析ツールと投資対象を提供した。また、資本市場が経済のグリーントランスフォーメーションとアップグレードに支援することで、今後機関投資家や一般投資家のグリーン投資を誘導することに貢献する。
2022-1-20 中国証券報
https://www.cs.com.cn/xwzx/hg/202201/t20220120_6237238.html

【IDG Capital】香港中華ガスと、100億元規模のゼロカーボン技術基金を設立、ゼロカーボン産業の発展を共同で推進
 1月24日、IDG資本は、戦略的投資家である香港・中国ガス会社とともに、総額100億元、初期資金調達額50億元の中国初のゼロカーボン技術投資ファンドを設立すると発表した。
本基金は、「技術投資+シナリオエンパワーメント」をテーマとした国内初のゼロカーボン技術基金である。ゼロカーボン 技術分野の革新的新興企業に資本支援を行うだけでなく、香港中華ガスと港華スマートエネルギー有限公司が持っている豊富な応用シナリオを公開し、投資先企業の製品・技術の応用シナリオへの実装・実践を加速させ、IDG Capitalと香港中華ガスの優位性を最大限に発揮させるものである。
 ゼロカーボン基金は初期50億人民元の規模で、太陽エネルギー、風力エネルギー、電力バッテリー、エネルギー貯蔵、スマートグリッド、水素エネルギー、炭素取引・管理、その他ゼロカーボン技術に関連する革新的分野への投資に焦点を当てる予定である。
 ゼロカーボン基金の管理会社は常州に設置する。
2022-1-25 上海石油天然气交易中心
https://news.cnstock.com/zhibo,ztzbshpgx-202201-4818932.htm


3. 王の視点
中国、グリーン・低炭素化とデジタル化の融合が進む

 北京冬季オリンピックが2月4日開催されました。それに先立ち、1月中旬、中国オリンピック組織委員会が、「北京冬季オリンピック持続可能な発展報告書(試合前)」を公表し、グリーン・低炭素・デジタル技術を融合させ、カーボンニュートタルを実践するオリンピック大会であると宣言しました。
 最近、「グリーン消費促進実施計画」、「グリーン交通14次5ヵ年発展計画」、「第14次5ヵ年デジタル経済発展計画」などが相次ぎ公表されました。これらの政策で共通しているのは、「デジタル」と「グリーン」の融合が言及されていることです。例えば、「グリーン交通14次5ヵ年発展計画」においては、技術イノベーションを強調し、「交通エネルギーインタネット技術」、「グリーン交通とスマート交通の融合発展」が強調されました。「グリーン消費促進実施計画」においては、「低炭素・ゼロカーボン・マイナスカーボンの技術やスマート技術、デジタル技術などの研究開発を促進し、飲食、住宅、輸送、物流および生産などの分野のスマート化水準と経営効率を向上させる」と明記されました。「第14次5ヵ年デジタル経済発展計画」においては、「デジタルトランスフォーメーションにおいてグリーン発展を推進する」との目標を掲げ、「グリーンで低炭素」なデジタル基礎インフラ建設を訴えました。
 中国では、近年「デジタル化」と「グリーン・低炭素化」の融合が、生産、交通、日常生活などの分野で加速しつつあります。
 アリババが最近発表した数字をみると、2021年のダブル11期間中に480万人の消費者が「段ボール回収計画」に参加し、87,000個の段ボールが菜鳥ステーションを通じてリサイクルできたとのことです。合計42億人回の北京住民が北京交通委員会と高徳が共同で立ち上げた「MaaS」プラットフォームで、バス、地下鉄、サイクリングなど、よりグリーンな移動方法を選択しました。また、毎日100万以上の商品が「閑魚APP」(中古品取引サイト)を利用し、再利用されています。このように、デジタル技術がグリーン消費を支えているのです。
 交通分野では、ネット配車プラットフォームや自転車シェアリングサービスを利用することで、年間都市交通の炭素排出量を削減することに貢献しています。シェア自転車1台あたり1kmの乗車は約50gCO2排出量を削減できると推定されていますが、2019年、中国のシェア自転車の1日平均乗車は4,700万人に達し、1日平均2kmの自転車走行があって、1日4,700トンの炭素を削減が実現された計算になりました。年間170万トンのCO2排出量の削減が可能になるということになります。
 産業分野においては、同じくアリババの事例ですが、「工業大脳」を導入して雲南省にあるゴミ焼却炉の温度制御操作が自動化され、作業負荷が90%減少し、トン当たりのごみが生産するグリーン電力が10kWh増加した事例も紹介されています。
 デジタル化(Digitalization)と低炭素化(Decarbonization)が融合することでCO2排出のピークアウトとカーボンニュートラル目標の実現により速く近づくことができると期待されています。


※記事は執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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