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リサーチ・アイ No.2024-010

金利2%上昇なら家計は4兆円の受け取り超過に ―ただし、年齢層や資産状況で大きな違い、 高齢世帯の4割は物価高負担が上回る見込み ―

2024年04月19日 北辻宗幹


日銀は3月の金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除し、17年ぶりに利上げを実施。金利上昇は、預金金利や住宅ローン金利などを通じて家計収支に影響。足元では、マイナス金利政策の解除を受けて、多くの金融機関が普通預金金利を小幅ながら引き上げ。今後、2%インフレが定着し、日銀が追加利上げに踏み切れば、預金金利や借入金利も本格的な上昇局面入りへ。

金利が上昇すると、家計全体では、利息の受け取りが支払いを上回る見込み。仮に、市場金利が5年かけて2%上昇した場合、家計全体の利払い負担は年間4.4兆円増加するのに対し、利息収入は年間8.7兆円の増加と、ネットの受け取り額は4.3兆円となる計算。
 
子細にみると、金利上昇の影響は家計毎の資産・負債の構成によって大きく相違。年齢階層別では、高齢者で恩恵が大。これは、若年層や中年層では住宅ローンなどの負債が大きい一方、高齢者では預金が大きいことが背景。平均的な70歳以上の高齢世帯では、1世帯当たり年間14万円の金利収入増となり、2%インフレによる生活費の負担増(5.7万円)をカバー可能。
 
もっとも、高齢世帯では資産格差が大きく、多くの世帯で金利上昇の恩恵が及ばず。インフレによる負担増を金利収入の増加でカバーできない世帯の預金額は概ね600万円以下と試算され、高齢世帯のうち594万世帯(全体の42%)が該当。高齢世帯は賃上げの恩恵も受けづらく、インフレ定着・金利高となれば、生活が厳しくなる高齢世帯が増える見込み。


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