Business & Economic Review 2012年2月号
【特集 最適なわが国エネルギー需給体制の構築を目指して】
わが国のエネルギー需要見通し(総括)
- 最終エネルギー消費の見通し
本稿では、前掲論文において将来展望を別々に論じてきた「電力」および「電力以外」のエネルギー消費を総合し、わが国エネルギー消費全体(最終エネルギー消費)の将来像を示す(図表)。
わが国の最終エネルギー消費は、1990年代には増加傾向で推移したものの、2000年代に入ると横ばいから緩やかな減少へと転じ、2008年度から2009年度にかけてはリーマンショックの影響を受け、大幅に減少した。2010年度には、景気回復の影響を受け、やや持ち直している。
このように最終エネルギー消費は振れの激しい展開をたどってきたが、今後はどうなっていくのか。本特集では消費特性の異なる電力と電力以外のエネルギーに分けて、需要の将来推計を行った(各論文参照)。電力消費量の将来推計では、次の2ケースを想定したが、本稿では、それぞれのケースごとの推計結果を電力以外のエネルギー消費の推計結果と合算し、最終エネルギー消費を算出した。