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4-5.ヘルシーカンパニーのススメ(1)

2007年09月06日 


 社員が健康でいることは単に医療費(医療保険費)の削減につながるだけでなく、企業の業績や生産性の向にも寄与する。社員が元気に働くことができる環境づくりや健康増進・疾病予防に資する取組みを積極的に実施することは、企業にとって“未来への投資”だと捉えることもできる。
 従来、企業や健康保険組合は社員の健康管理に対し「(介入すべきでない)個々の問題」として考える傾向があったようだが、近年では経営と健康管理を統合的に捉えた「ヘルシーカンパニー」の考え方が浸透しつつある。本シリーズではヘルシーカンパニーに関して数回に渡って取り上げ、具体的な取り組み事例の紹介や検討を行う中で、健康管理に関する企業や健康保険組合の方向を検討する。
今回は、ヘルシーカンパニーの考え方とその取り組み事例を紹介する。

◆ヘルシーカンパニーとは
 ヘルシーカンパニーとは「社員の健康管理と企業経営を一体とする考え方を導入する企業」の総称であり、「○○を実践しているからヘルシーカンパニーである」といったような具体的な指標や基準が設けられているわけではない。ヘルシーカンパニーを自認する企業は総じて社員の健康管理メニューを充実させているが、健康管理に熱心な企業群の中で特筆すべきレベルというわけではない。ヘルシーカンパニーは、環境や地域活動などの社外を対象とした活動が多く取り上げられる「企業の社会的責任(CSR)」に社員の健康管理を含め、企業責任の下で推進していることが特徴である。

◆ヘルシーカンパニーの取り組み事例
 ヘルシーカンパニー(と呼ばれている)企業を概観する限りでは、健康管理への取り組みを社員の自主性に任せるのではなく、『健康づくりのきっかけ』を社員に対して提供する企業が少なからず見受けられる。例えば三井化学では、1997年に社長の直轄機関であるCSR委員会の1つとして「レスポンシブル・ケア委員会」を設置し、経営の仕組みの中に“社員の健康推進”を組み込んでいる。「社員の健康は、会社の健康に直結する」との考えのもと、「運動習慣改善プログラム」等を実施し、イベントにゲーム感覚を取り入れるなど社員が健康づくりを始めるきっかけづくりに注力している。また、東京ガスでは社内のイントラネットを通じた「禁煙メールクラブ」を立ち上げ、社員が禁煙するための機会を提供するなど、社員の健康増進や生産性向上に効果が現れている例も見受けられる。
 一方、ヘルシーカンパニーを目指した活動は企業単位の活動だけではなく、業界が取り組んでいる場合も見受けられる。化学物質の製造・取り扱い事業者が自主的に環境・安全・健康面の対策を実行し、改善を図っていく自主管理活動を行う「レスポンシブル・ケア(注)」が代表的なものであるが、『科学物質』という健康には直結しない印象を持たれがちな業界が、健康を重視した方針を打ち出すことで業界イメージの向上や企業アピールにつながることが推察される。


注)1995年に日本レスポンシブル・ケア協議会が設立され、業界団体としての取り組みが進んでいる。http://www.nikkakyo.org/organizations/jrcc/index.html
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