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連結標準原価を活用した連結管理会計システム(第2回)

2008年02月14日 斉藤岳


はじめに

 第1回「連結標準原価の概念と活用方法」では、連結標準原価を用いることにより、連結ベースの売上原価や在庫残高をダイレクトに把握できることを述べました。今回は連結標準原価を活用した管理会計システムの導入がグループマネジメントプロセスにどのようなインパクトを与えるかを説明します。
 

予算編成プロセスの革新

 連結総合予算編成は、連結事業単位を一企業のごとくみなして、管理連結予算を個社別予算に優先して編成するプロセスへの変革をはかるべきです。

 個社別事業別予算積上げ方式から連結標準原価を活用したダイレクト編成方式に変更することにより、積上げ後の調整業務の軽減と予算の全体整合性の確保をはかることができます。 その結果、連結ベースでかつダイレクトに事業損益構造や戦略的意思決定、経営資源配分に関する構想・デザイン・計画化が可能となります。

連結総合予算編成プロセスの革新
【連結総合予算編成プロセスの革新】



業績管理プロセスの革新

 連結業績管理プロセスの変革方向は、的確でタイムリーな実態の把握により、問題状況の発見から対策立案、アクションにいたるまでのリードタイムを短縮し、スピーディーな企業体質を築き上げることにあります。

 具体的には、連結標準原価テーブルの活用により、連結消去処理業務がなくなり、月次での管理連結実績の把握がスピードアップし、問題状況の早期発見と課題解決に向けた迅速な対応が実務上可能となります。

 また、事業レベルで把握していた連結ベースの損益や在庫残高について、その内訳となる製品レベルまで分析可能となり、業績変動要因の分析をきめ細かく実施することが可能となります。

 さらに、グループ全体およびセグメント(事業)別の経営情報が製品レベルでの連結ベースの標準原価をもとにスピーディーに生成されるため、それらの情報を有効に活用することにより、制度連結決算そのもののスピードアップと公開する連結経営情報の精度向上に寄与できます。

 なお、期初に連結標準原価設定業務が追加されることになりますが、これはシステム化により効率化をはかることができます。
 

グループ管理会計システムの革新

 このように、連結標準原価の活用により、グループ戦略施策に関するマネジメントプロセス(PDCAサイクル)が強化され、グループマネジメントのレベルが飛躍的に向上します。グループ価値創造経営の推進を強力にバックアップするツールとして、新管理連結手法によるグループ管理会計システムの導入をご検討下さい。

 (※)上記の考え方に基づくグループ管理会計システムに関してはビジネスモデル特許出願済(出願番号:2004‐018758)
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