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Business & Economic Review 2009年7月号

【特集 世界経済危機と新たな金融システムの構築に向けて】
岐路に立つ金融機関のリスク管理-計量的管理の功罪と今後の挑戦

2009年06月25日 三井住友銀行 リスク統括部 オペレーショナルリスク管理室長 西口健二



世界の金融・経済は、100年に一度とも言われる未曾有の危機の渦中にある。この金融危機は、金融機関が依拠する金融システムの脆弱性に起因するものであるがゆえに、我々金融機関にとって、事態は深刻である。茲許の十数年間で金融システムはめざましく高度化・複雑化してきたが、これに対処すべく、リスク管理面でも、金融工学を駆使したリスクの計量化等により高度化を図ってきたにも拘らず、リスクが顕在化してしまったのである。

とりわけ、金融機関にあってリスク管理に携わる人間にとっては、金融危機に伴う経済・社会の低迷や、企業収益への打撃もさることながら、まさにリスクをコントロールできなかった事実が、重くのしかかってくる。はたして、これまで金融機関が培ってきた計量的なリスク管理は間違っていたのであろうか。今、金融機関のリスク管理は、その存在意義をかけた岐路に立っている。

現在、金融サミットを頂点に、各種会議体や各国金融規制当局で、金融システム強化に向けて様々な議論がなされているが、今般の金融危機で露呈したリスク管理の問題については、まさに現場でリスク管理の実務に携わる金融機関自身が、知恵を絞り、話し合い、解決に向けての新たな方向性を探っていく責務があるものと考える。

そこで、本稿では、金融機関におけるリスク管理の実務を機軸に据えて、これまでの計量的管理を、具体的事例を通じて検証し、今後のリスク管理のあり方を展望していきたい。

尚、本稿は、元金融庁専門調査官で現在NECの主任研究員である森永聡氏との会話がベースになっており、また、日本総合研究所の藤田哲雄、李立栄の両氏のご示唆により最終的に纏めることができた。深くお礼を申し上げる。最後に、三井住友銀行リスク統括部オペレーショナルリスク管理室の斉藤晃一郎、平野正浩、嶋津敬、森本貴之、柏倉信貴、蒲原良介の諸氏の、本稿の準備に際しての尽力に、この場を借りて感謝の意を表したい。
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