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創立50周年記念シンポジウム開催

2019年03月26日 井熊均


 3月18日、日本橋の三井ホールで、「スマート農業が興す農村デジタルトランスフォーメーション」と題するシンポジウムを開催しました。年度末の忙しい時期にもかかわらず、600名を超える方々から参加意向を頂き、400数十名のご参加を頂きました。お忙しい中ご参加頂いた方々に対して心より御礼申し上げます。

 2年前にスマート農業のシンポジウムを開催した際にも、今回に迫る数の方々のご参加を頂きました。生産額でGDPの2パーセントに満たない農業のイベントに、かくも多くの方々の関心を得られるのは何故でしょうか。

 一つには、農業の重要性に対する認識があるでしょう。全ての生活と活動を支えている農産がどのように変わっていくかに、多くの人が関心を持っています。日本の農業の危機的な状況がこうした関心を一層高めています。

 AIやIoTの実装の場としての農業に関心を持たれている人も多いでしょう。十数年間組織として農業に取り組んできた立場から見ると、昨今の農業への関心は革新技術への関心とある程度連動しているように見えます。

 もう一つあると思うのは、農業の社会的な位置付けが変わる、という潜在的な意識です。農産物は自然の恵みである半面、世界的に見ると、自然環境に負荷をかけてきた面があるのは否定できません。一方で、最近では、気候変動で農業が自然の脅威に晒される可能性が高まっています。労働条件については、都会での第三次産業などに比べ、全ての人の生活を支えている農業の現場で働く人への報酬が低く過ぎるのではないか、と思っている人がたくさんいます。こうした農業に対する気持ちが、SDGsやESGへの関心が高まる世界的な風潮によって底上げされているように思うのです。

 我々は問題を多面的に捉えて、真の農業の再興とは何かを考えていきたいと思います。そのために学ぶべきことは絶えません。


※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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