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オピニオン

経営企画部門の実態
~874社に聞いたアンケート調査結果~

2016年04月07日 <経営企画機能研究チーム>、吉田徹高津輝章粟田輝


■調査の概要・目的
 株式会社日本総合研究所は、2015年11月時点における全上場企業および上場企業と同数の直近売上高100億円以上の非上場企業を対象に、経営企画部門の実態に関するアンケート調査を実施した。
 経営企画部門の業務範囲は各社によって大きく異なる一方で、実態を調査した報告はこれまで少なく、各社は手探りで業務モデルを作り運用し続けてきた。本調査の目的は、経営企画部門の実態を把握して、どのような在り方であれば業績向上により寄与できるかについての示唆を得ることである。

■調査の実施方法
・調査期間および実施方法: 2015年12月から2016年1月にかけて郵送調査により実施
・調査対象: 2015年11月時点における全上場企業(3,607社)および直近の売上高100億円以上の非上場企業3,607社の、経営企画機能を担う部門の責任者
・有効回答数: 874サンプル(回収率12%) 

■調査から得られる示唆
◯経営企画部門の3大主管業務は、①中期経営計画・ビジョンの策定、設定、管理、②単年度予算の編成・管理、③特命プロジェクト推進である。
ただし、過半数の経営企画部門が「新規事業推進」「組織風土改革」「取締役会等の会議体事務局」「CSR推進」等にも何らかの形で関与しており、経営企画部門の守備範囲は極めて広範かつ多様。
◯経営企画部門の専任部員数は、企業規模(売上規模)の拡大に連れて増員される。例えば、売上高100億円未満では平均2.8名だが、1,000億円~3,000億円では平均8.6名。守備範囲が広範かつ多様であるがゆえに、経営企画部門の課題として5割弱が「人員不足」を挙げ、この傾向は特に3,000億円以上の企業で強い。
◯経営企画部門と経営トップのコミュニケーションの頻度は平均で週1.8回。
毎日コミュニケーションを行っている企業が14.3%存在する一方で、約4社に1社は、経営トップとのコミュニケーションが月に1回以下としており、企業によって経営企画部門の社内での位置付けが大きく異なっている。
◯経営企画部門のありたい姿としては、「経営者の参謀」や「会社の頭脳」が多いが、現状を表す表現では「事務局」「経営者の手足」も多く、理想と現実にギャップがある。
◯増益傾向の企業と減益傾向の企業を比較すると、経営企画部門の役割への自己評価や課題等で結果に差がみられ、その差から、減益傾向の企業は企画立案やその推進になかなか手をつけられていない現状がうかがえる。
・経営企画部門の役割に関して、増益傾向の企業は「新規事業推進」「ICTの利用推進」「将来を担う経営人材の育成」で役割を果たしているとの自己評価が高い。一方、減益傾向の企業は、「中長期要員計画」「コーポレートガバナンス」「単年 度予算編成」「取締役会等の会議体事務局」が高くなっている。
・経営企画部門の課題としては、増益傾向の企業は「人手不足」を挙げる比率が高く、減益傾向の企業は「経験の不足」「雑務に追われる」「調整役に終始」などが高くなった。さらに、現状を表す表現に関しては、増益傾向の企業は「経営者の参謀」「中長期視点での推進」、減益傾向の企業では「経営者の手足」が相対的に高い傾向がみられる。

図表1 増益傾向の企業と減益傾向の企業の比較

*1 増益傾向企業の回答比率から減益傾向企業の回答比率を引いたスコア。サンプル数は項目別に異なる
*2 減益傾向企業の回答比率から増益傾向企業の回答比率を引いたスコア。サンプル数は項目別に異なる



◯また、社員の意識面に焦点をあてた会社全体の「気になる」課題として過半数を超えるものは以下のとおり。
 いずれの選択肢においても「気になる」(強く気になる+やや気になる)が過半数を超える結果となり、内的な課題意識が 非常に強い。「経営企画機能」といえば「中計・ビジョン策定」「新規事業推進」などの業務面に目が行きがちであるが、 この設問に現れているような内的な課題にこそ、経営企画部門のより大きな苦悩がうかがわれる。


図表2 経営企画部門からみた会社全体の課題



※経営企画部門の実態調査結果については、こちらからダウンロードください。
経営企画部門の実態調査結果レポート