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瀬戸内海の島々の魅力づくり

2016年04月26日 井熊均


 仕事の関係で、瀬戸内海の二つの島を周ってきました。四国、中国地方と無数の島々をつないでいるのはフェリーや高速船です。その中に、日本人観光客より多くの海外からの旅行者が乗っているのに驚きました。近年、瀬戸内海では美術的な資源の整備やルート開発などで、観光振興を進めてきたからでしょう。この日訪れた島でも、美術館、美術品、洒落た飲食店、などが豊かな自然の中に点在し、レンタルの自転車、電動バイクのステーションが整備されていました。

 今まで、仕事で色々な国に行きましたが、これだけ多くの島が点在し、豊かな自然の中で生活が維持されている瀬戸内海のようなところは極めて限られています。その上、美味しい食事があり、観光ルートが整備されるとなれば、海外の人が関心を寄せるのは当然かもしれません。

 国内市場が停滞する中で、旺盛なインバウンド需要は日本経済の数少ない希望の光の一つです。だからと言って、バブル経済の時のような過剰投資に陥ることがあってはいけません。瀬戸内海の島々で感心したのは、そうした過剰感が無かったことです。美術館や美術品といっても、過大なものではないですし、洒落た飲食店の多くも民家などを活かしたものです。それらが、豊かな自然や土地の人達の生活環境の中に散りばめられている様が、国内外から訪れる観光客の心を捉えるのでしょう。

 東京や大阪などの大都市ではホテルや交通機関の整備が急がれることは確かです。しかし、ほとんどの地域で求められているのは、この日瀬戸内海で見た、自然と地域の人たちの生活に溶け込む、手作り感のある受け入れ基盤などだと思います。


※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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