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COP21への期待と日本の役割

2015年11月24日 井熊均


 今月末からパリで第21回国連気候変動枠組み条約締結国会議COP21が始まります。世界最大の二酸化炭素排出国の中国とアメリカが加わったことで、これまでになく期待が高まっています。世界第三位の経済大国であり、世界トップレベルの省エネルギー技術を持つ日本としては、新しい枠組みの中でも国際的な評価される役割を担っていかなくてはなりません。その際重要なのは、COPの変化を捉えることだと思います。

 気候変動枠組み条約が締結されたのは1992年のことです。その後、1997年に京都議定書が批准されるまで地球温暖化対策の議論は大きく前進しました。しかし、その後は、アメリカの離脱、ポスト京都の議論での日本の離脱、等、国際的な議論は迷走を繰り返しています。そうしている間に、世界各地で豪雨、旱魃、高温が頻発するようになり、国際的議論のスピードは温暖化にも追い付けていないように見えます。

 議論が迷走を続けている最大の理由は、各国の温室効果ガス削減のコミットを積み上げることで温暖化に対処しようとしていることです。コミット積み上げの方式は、地球温暖化がグローバルな問題であるにもかかわらず、国内調整等、各国の政策姿勢を内向きにする傾向があります。経済成長を犠牲にした温暖化対策に反対論の多い中国とアメリカの参加は、コミット積み上げの方式の転機となる可能性があります。例えば、二酸化炭素の発生が多い国、人口が多く経済成長が著しい国に温暖化対策の投資を集中することが考えられます。その時に日本に求められるのは、世界で最も効率的な技術やシステムを開発・実装し、海外に投資するための強い経済を作り上げることになると思います。


※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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