昨年末、トヨタが世界初となる燃料電池量産車「ミライ」を発売した。2000年代には1億円以上すると言われた燃料電池システムが、この数年でコストを20分の1に低下させ、700万円で販売にこぎつけたのだ。 この背景には何があったのか。トヨタの技術陣、経営陣の的確な判断があったことは賞賛されるべきことであるが、それだけでは説明できない。そこには、ナノテクノロジーとIoT(Internet of Things)というミクロとマクロの融合による飛躍的な技術の進化を引き起こす技術革新のメガトレンドが生まれていたのだ。