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地域コミュニティとこれからの地域交通

2014年01月21日 武藤一浩


 東日本大震災がわが国に与えた大きな影響の一つは、地域コミュニティの重要性が再認識されたことです。地域コミュニティは、震災直後の治安維持や支援物資の供給において大きな役割を果たしました。また、有事の際だけでなく、地域住民・事業者の交流や活動が盛んに行われるコミュニティこそ、これからの地域活性化には必要と注目されつつあります。

 一方で、各地の地域コミュニティは、崩壊、あるいは衰退してきていると感じられると思います。要因は様々ですが、豊かになるにつれて、隣近所で共同利用する物が減ったり、助け合う必然性が薄れたりして周囲と疎遠になり、地域活動に参加しない・無関心になる、といったことが考えられます。

 地域コミュニティの再生には、人々が集まる必然性が欠かせません。地域コミュニティが組成されてきた背景を想像してみると、例えば昔は水を得るために井戸を共同利用することで人々が集まりました。井戸端会議といわれるように、人々が井戸に集まることでコミュニケーションが生まれ、コミュニティが形成されていったと思います。

 昔の井戸のように地域コミュニティが組成される1つの視点として「これからの地域交通のあり方」が重要と思い様々な活動を進めております。その中でも、2013年10月に立ち上げたCOSMOSコンソーシアムは、地域コミュニティの組成、再生につながるプロジェクトと思い注力しています。同コンソーシアムが目指すのは、地域における住民の往来を活発化させ、手軽に人々が集まる場を創出し、地域コミュニティを組成(再生)に寄与する全く新しい地域交通サービスの創出です。

 COSMOSの導入を検討する自治体や地域事業者が参画し、ニーズの調査をはじめ、必要な技術や法制度の検討、そして持続可能なビジネスモデルの構築を行い、地域活性化と新市場の創出を目指しています。具体的には、インフラ構築に貢献できる民間企業(約20社)および全国の自治体・地域事業者(約10地域)と協力し、それぞれの地域に応じたニーズを把握しながら、各地に展開可能なビジネスモデルの構築を進めています。活動の進捗は都度発信していく予定ですので注目いただけましたら幸いです。


※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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