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男性管理職のアンケート意識調査(2)
―育児は女性の仕事と認識する男性管理職―

2016年03月30日 小島明子


2.育児は女性の仕事と認識する男性管理職
(1)女性登用に賛同する約6割の男性管理職が育児は女性の仕事と認識
 アンケート調査結果によれば、女性の登用に賛成している男性管理職のうち、「子どもが3歳くらいまでは、母親は仕事を持たずに育児に専念すべきだ」と考える男性管理職は58.8%、「子どもが小学生くらいまでは母親や仕事を持たずに子育てに専念すべきだ」と考える男性管理職は41.0%である(図表1)。女性の登用に賛成している男性管理職の中でも、約6割以上の男性管理職が育児は女性の仕事であり、仕事を持たずに専念すべきと考えている状況が明らかとなった。
 子どもの育児については、女性は仕事を持たずに専業主婦になるべきであるという男性管理職の意識が強い状況がうかがえる。
図表1:男女の役割分担について
(子育て)女性登用賛成派・反対派毎

*サンプル数は、女性の登用に対する賛成派が439人、反対派が77人(図表1を参照)、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」を「そう思う」に、「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」を「そう思わない」として集計している。



 さらに、「家族を経済的に養うのは夫の役割だ」、「家事や育児には、男性より女性の方が向いている」という考え方について尋ねたところ、いずれも約6割の男性管理職が賛同する傾向にあることが明らかとなった。
 男性管理職が、女性の方が家事や育児への適性が高いと考える傾向が、働いて経済的責任を担うのは男性という固定的な役割分担意識を生み出す理由の1つであると推察される。


図表2:男女の役割分担について
(経済的責任)

*「家族を経済的に養うのは夫の役割だ」という考え方について尋ねている。サンプル数は、516人。「そう思う」「どちらかといえばそう思う」を「そう思う」に、「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」を「そう思わない」として集計している


図表3:男女の役割分担について
(家事の適性)

*「家事や育児には、男性より女性の方が向いている」という考え方について尋ねている。サンプル数は、516人。「そう思う」「どちらかといえばそう思う」を「そう思う」に、「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」を「そう思わない」として集計している。



(2)男性管理職の意識改革の必要性
 上記の通り、育児は女性の役割であるという固定的価値観が男性管理職に根強く残っている状況の中、男性管理職の意識変革のためには、どのような施策が有効だろうか。本稿では代表的な3つの施策を取り上げたい。
 1つ目は、男性管理職向けの意識変革につながる研修の実施が挙げられる。最近は、女性部下と一緒に参加をする研修や、女性部下とのコミュニケーションを学ぶ研修などを行う企業も増えてきている。企業側が、研修機会を提供することで、男性管理職自身が女性部下と働くことへの苦手意識や違和感を払拭し、育児と仕事を両立して働く女性に対する理解を深めるために有効だと考えられる。
 2つ目は、男性の育児休業取得を容認する環境づくりが挙げられる。男性管理職自身が、女性部下だけではなく、子どもを持つ男性部下の育児や家事参画の理解を深める必要がある。「男女共同参画白書平成27年版」によれば、平成25年度の男性の育児休業取得率はわずか2.03%である。筆者も、男性部下の場合は、本人が上司に言い出しづらいケースも多いと聞く。男性の育児休業取得促進に向けて、現場での手続きの簡素化といった取り組みと、男性管理職向けにハンドブックを配布するなど男性管理職自身の意識啓発を行うことが有効だと考えられる。
 3つ目は、男性の家事能力向上支援である。最近、一部の自治体では、イクメン講座等を通じて、男性のための料理教室を実施しているところが出てきている。小さな子どもを持つ男性だけでなく、年齢や役職を問わず、働く男性に対して幅広くこのような機会を企業側が提供できれば、男性管理職の意識の変革につながっていくのではないだろうか。
 男性管理職の変革に向けて、必要な取り組みは多々あるが、女性の活躍を推進していく上で、育児は女性が専念すべきという固定的価値観を変えていくことは重要だといえるだろう。



※執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません
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