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オピニオン

SMFG水素社会フォーラムに登壇して

2015年07月24日 段野孝一郎


 2015年5月21日(木)、中電ホール(愛知県名古屋市)にてSMFG水素社会フォーラムが開催され、パネルディスカッションのコーディネーターとしてフォーラムに参加した。

 当日のタイムテーブルは下図表に示す通りだが、フォーラムの最後に設けられたパネルディスカッションには、水素供給インフラとなる水素ステーション事業を行う豊通エア・リキードハイドロジェンエナジー、同じく水素ステーションの運営を行うとともに、水素の原料ともなる都市ガスの供給を担う東邦ガス、金融機関からは三井住友ファイナンス&リース、三井住友銀行がパネリストとして参加する多彩な顔ぶれとなった。

 パネルディスカッションでは、豊通エア・リキードハイドロジェンエナジーから、移動式および定置式の水素ステーションの活用方法やビジネスモデルの違いについて説明があった。また東邦ガスは、燃料種ごとに異なる法規制の現状に触れたうえで、既設のガソリンスタンドに水素スタンドを併設するアイデアがあるものの、既設のガソリンスタンドの敷地面積には余裕がないことが多く、水素ステーションの適地があまり存在しない現状を解説した。リース事業を主要事業とする三井住友ファイナンス&リースは、豊田通商・岩谷産業・大陽日酸が共同出資して設立した「日本移動式水素ステーションサービス」向けに、移動式水素ステーション5台を日本で初めてリースで取り組む事例を紹介した。水素ステーションのような新たな設備をリースする際のポイントを解説された上で、リースの活用によりガソリンスタンドの整備が進んだことと同様、リースの活用により水素ステーションの整備が進み、燃料電池自動車の普及や水素社会実現に貢献できるという見解を示された。三井住友銀行は、LNGサプライチェーンと水素供給サプライチェーンの類似性に触れ、インフラ建設を進めるうえで長期間を要すること、そして需要の創出が重要である点を強調されていた。各社が大きく異なる事業を展開されておられることを背景に、パネルディスカッションでは多様な視点からの意見が提示され、コーディネーターとしても大変興味深い内容であった。

 トヨタ社の燃料電池車「ミライ」の発売によって、水素社会実現に向けて徐々に市場環境が変わりつつあり、それに合わせて所管官庁である経済産業省をはじめとして、制度改正等の議論も活発に行われている。本日のようなフォーラム/セミナーを通じて、水素に関連する多様な事業者の間での意見交換・協業関係が促進されることによって、市場も拡大していくだろう。

図表-1 SMFG水素社会フォーラムのタイムテーブル


タイムテーブル登壇者
14:00–14:05主催者挨拶株式会社三井住友フィナンシャルグループ
取締役社長 宮田 孝一
14:05–14:10来賓挨拶愛知県 知事
大村 秀章
14:10–14:15来賓挨拶経済産業省 中部経済産業局 局長
井内 摂男
14:15–15:00基調講演経済産業省 省エネルギー・新エネルギー部
燃料電池推進室 室長補佐
日原 正視
15:15–16:00セミナー
『FCVを通じた水素社会実現へのチャレンジ』
トヨタ自動車株式会社 技術部主幹
三谷 和久
16:00–17:00パネルディスカッション
『水素社会実現に向けた取り組み
~インフラ整備の観点から』
コーディネーター
株式会社日本総合研究所 総合研究部門
アソシエイトディレクタ 段野 孝一郎
東邦ガス株式会社 技術研究所長
田邊 昭博
豊通エア・リキードハイドロジェンエナジー株式会社
代表取締役社長 中川 浩司
三井住友ファイナンス&リース株式会社
常務執行役員 西槇 隆至
株式会社三井住友銀行
執行役員 成長産業クラスターユニット長
工藤 禎子

以上

※執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。