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【ビッグデータが変える生活支援サービス①】
インフラ分野におけるビッグデータ活用の可能性

2015年06月30日 段野孝一郎


 2000年代初めから徐々に一般のビジネスシーンにも登場してきた「ビッグデータ」。いまやこの言葉を聞かない日がないほど、世間にも浸透してきたが、ビッグデータが登場した当初と現在では、ビッグデータ解析に期待される役割・付加価値が変化してきている。

 ビッグデータが登場した当初は、その量的側面に注目が集まった。すなわち、従来のシステムでは取り扱いが困難な大量のデータを処理すること自体が付加価値であった。しかしその後のICT技術、情報通信技術の進展により、さまざまなデバイス、センサー等から「高解像度(事象を構成する個々の要素に分解し、把握・対応することを可能とするデータ)」、「高頻度(リアルタイムデータ等、取得・生成頻度の時間的な解像度が高いデータ)」、「多様性(各種センサーからのデータ等、非構造なものも含む多種多様なデータ)」という特徴を有する多種多様かつ多量のデータが生成・収集・蓄積されるようになった結果、①需要者・利用者の視点に立って、②大量・高速・多種多様なデータからいかに価値創出するかに重点が移りつつある。

図表-1 「ビッグデータ」の付加価値の変化


出所:経済産業省資料を基に日本総研作成


 大量データのリアルタイム処理が力を発揮する分野として期待されているのが、インフラ関連産業へのビッグデータ分析の適用である。電力・ガス、水道、交通といった社会インフラは、24時間365日の稼働が前提となっており、各種データの大規模リアルタイム処理により、異変の察知や近未来の予測等が可能になれば、利用者個々のニーズに即した新たなサービスの創造・提供が可能になる可能性がある。例えば、電気やガス、水道の使用量の変化から、生活者の生活パターンの変化や在宅状況等の把握が可能になれば、要介護者の健康状態の検知もより容易になる可能性がある。

図表-2 データ利活用による新サービス創造の可能性


出所:日本総研作成


 これまでは、生活者のライフログデータを収集するに当たって専用のセンサーやウェアラブルデバイスの設置が必要となったため、サービスを享受するに当たって相応のイニシャルコスト、ランニングコストの負担が必要であった。しかしインフラ関連のデータの活用が可能になれば、データ収集に必要な計量計は各インフラ事業者が本業の一環として設置するため、サービスの低コスト化が可能になり得る。一方で、電気やガス、水道の使用量といったデータは、電力会社や消費者のパーソナルデータに当たるため、データ利活用の促進と、消費者のプライバシー保護のバランスを両立させていく必要がある。

 これまでは、収集したデータの目的外利用については厳しく制限されてきたため、事業者が新たなサービス開発・サービス提供を行うには高いハードルがあった。しかし政府も、ビッグデータを取り巻く事業環境の変化を踏まえ、パーソナルデータの利活用を促進すべく、法改正を行っているところである。

 次稿では、足元で進められている法改正の動向を説明する。
以上



※執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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