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福祉用具貸与価格の把握と利用者による福祉用具の選択に資する情報の提供体制のあり方に関する調査研究事業

2013年06月06日 徳村光太


*本事業は、平成24年度老人健康保健増進等事業として実施したものです。

事業目的
 本調査研究事業は、上記を踏まえて、統一的なコードを導入するなどの調整を進める上での基礎的な資料として、保険請求場面での各福祉用具コードの利用状況や、福祉用具製造事業者における福祉用具コードの取得状況について実態把握を行うものである。具体的には、以下の2点を目的として取り組んだ。
・福祉用具を取り巻く各主体における商品コードの活用に関する実態把握を行うこと
・福祉用具に関わる商品コード、商品情報に関する情報提供の在り方を検討すること

事業内容
(1)福祉用具貸与事業所の商品コード活用に関する実態調査
 福祉用具貸与事業所3,811件(全福祉用具貸与事業所から1/2抽出)に対して、郵送アンケート調査を実施し、1951件(回収率:51.2%)を得た。

(2)福祉用具製造事業者の商品コード活用に関する実態調査
 平成24年10月発送にて、福祉用具製造事業者410社(福祉用具情報システム(TAIS)「介護保険福祉用具情報」に掲載された福祉用具の製造事業者または輸入事業者全て)に対して、アンケート調査を実施し、172件(回収率:41.9%)を得た。

(3)保険者における給付適正化の取り組みと福祉用具コード活用に関する実態調査
 検討会の委員である神奈川県横浜市並びに北海道札幌市より、平成24年5月~7月審査分の介護給付実績明細データ全件(福祉用具貸与サービスのみ 439,771件)を受領し分析を行った。

(4)福祉用具の商品コードを用いた情報提供のあり方に関する検討会の設置、検討
(1)~(3)の調査の進め方、調査結果の解釈、報告書のとりまとめ等に関して検討を行う目的で、検討会を設置し、年度内に3回開催した。検討委員会の構成は、福祉用具製造事業者、福祉用具貸与事業者、保険者、介護支援専門員、福祉用具に係る有識者等である。

事業結果
 本事業では実施した3つの調査と、検討会での議論により、福祉用具コードを巡る論点整理を行い、報告書にとりまとめた。福祉用具コードの現状と、今後の方向性については以下の通り論点整理を行った。
・福祉用具の適切な利用を推進していくためには、全ての福祉用具を商品単位で特定可能な福祉用具コードを用いて、利用者が福祉用具に関わる情報を入手し、適切な福祉用具を選択・利用できる環境を整えるとともに、保険者が給付実績の分析等を行える環境整備を目指すべきである。そのための方向性として、現状でアイテムを商品単位で特定可能かつ、コードに対応した商品情報にアクセスしやすいTAISコードを全面的に活用した「保険請求の際に記載するコードをTAISコードのみに限定する」を採用することが適切である。
・本調査の結果、TAISコードの普及は8割を超え、採用に向けた素地は一定程度整っていると考えられるが、一方で保険請求の際に記載するコードをTAISコードのみに限定するためには、TAISコード未取得製品の費用負担の増大、サイズ・オプション等に関する発番ルールの検討、「介護保険福祉用具情報」の掲載有無と保険給付可否判断に関する見解の整理等の課題があり、TAISコードの活用を主としながらも、JANコードの一部併用も視野に入れておく必要がある。
・そのため、給付管理を推進する観点から漸進的に改善を図っていく方策としてまずは、「保険請求時に入力するサービス項目コードを増やし、サービス項目コードによって福祉用具の分類の管理を行う」ことへの取り組みが考えられる。これにより、国保連合会介護給付適正化システムの集計対象から漏れていたTAISコード以外によって請求が行われた福祉用具の貸与価格について小分類別集計や、要介護度別等の利用者属性別に福祉用具の給付パターン等の集計が可能になる等のメリットが考えらえる。コード見直しに係るコストや、見直し後の福祉用具貸与事業者・居宅介護支援事業所に生じる負担等も勘案しつつ、サービス項目コードのあり方の見直しについて検討していくことが必要だろう。
・さらに並行して、TAISコードについて、取得・維持に関する費用負担、発番ルール等についての課題解決を公益財団法人テクノエイド協会等へ促すなど、より多くの製品についてTAISコードでの分析・集計が可能な環境づくりを進めていくことが必要。
・上記のような取り組みを複合的に進めていくことにより、各保険者においては、サービスコードによる福祉用具分類別の集計に、商品コードによる商品単位の集計を組み合わせることで、重層的な分析環境が整うことになるだろう。

 また、福祉用具コードの活用は、現在は保険者による貸与価格の分布を把握するのみにとどまっているが、今後の活用イメージとして、福祉用具分類別給付状況の把握、福祉用具の組み合わせ等に関する分析、不可解な保険給付のフィルタリング、福祉用具サービスの効果検証等への有用であることを提示した。特に、介護給付実績データを時系列で分析することで、他サービスの利用状況等も踏まえて、福祉用具サービスの利用による身体状況等の改善状況や貸与価格の妥当性等について検証を進めていくことは、福祉用具の適切な利用を推進する上で重要な位置づけを持つものであり、今後の検討が必要である。

※詳細につきましては、下記の報告書本文をご参照ください。
報告書:福祉用具貸与価格の把握と利用者による福祉用具の選択に資する情報の提供体制のあり方に関する調査研究事業

本件に関するお問い合わせ
総合研究部門: 徳村 光太
TEL: 03-6833-6063   E-mail: rcdweb@ml.jri.co.jp
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