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CSR経営動向調査/2010年度

2011年04月01日 ESGリサーチセンター


当社は、社会的責任投資のための企業情報提供を業務の一つとしている。企業情報の提出先は以下の金融機関である。
<2011年3月末現在>
・住友信託銀行
・住信アセットマネジメント
・大和証券投資信託委託
・三井住友アセットマネジメント
この度、2010年度の企業情報の更新に当たり、東京証券取引所第一部上場企業1,672   社、及び、その他の市場に上場している時価総額上位企業、計2,000社に対してアンケート調査を実施した(2010年7月26日案内書発送、9月3日回答締切)。


調査結果


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一括ダウンロード (PDFファイル:885KB)
調査概要 (PDFファイル:234KB)
調査票「環境編」分析結果 (PDFファイル:501KB)
調査票「社会・ガバナンス編」分析結果 (PDFファイル:607KB)


調査結果の概要


本報告サマリーでは、計17業種をもとに分析を試みている。証券コード協議会が定める中分類は、33業種分類であるが、ここでは、繊維製品と化学を「繊維・化学」に、鉱業、パルプ・紙、石油・石炭製品、ゴム製品、ガラス・土石製品を「素材・材料」に、鉄鋼、非鉄金属、金属製品を「金属」に、精密機器、電気機器を「電気機器・精密機器」に、陸運業、海運業、空運業、倉庫・運輸関連業を「運輸」に、銀行業、証券・商品先物取引業、保険業、その他金融業を「金融」に、不動産業、サービス業を「サービス・不動産」に、食料品、水産・農林業を「食料品」に、それぞれ業種を統合して集計を行った。
ただし、環境編と社会・ガバナンス編の回答率(グラフ1とグラフ19)については、証券コード協議会が定める33業種中分類で集計を行った。

(1)過半数超える企業が環境保全活動に関してウェブと報告書の使い分け<グラフ2>
環境保全活動に関する情報発信について、ウェブサイトと環境報告書等の役割を分けて情報発信を行っていると回答した企業は全体の53%となった。
(2)製造業では約3割の企業がカーボンクレジットを活用<グラフ8>
自社で設定した温室効果ガス削減目標を達成できる見込みであるためカーボンクレジットの仕組みを活用する必要がないと回答した企業は製造業の約1割にとどまったものの、カーボンクレジットを活用していると回答した企業は、製造業の約3割となった。
(3)生物多様性保全、事業活動との関わりへの認識は低い<グラフ11、12>
社会貢献活動として生物多様性を保全する取組みがあると回答した企業は約7割であった。一方、生物多様性と事業活動との関わりの把握を実施し、その事実または結果を公開していると回答した企業は3割に満たなかった。生物多様性というテーマに対する企業の関心は高いが、事業活動との関わりを認識している企業が少ないことが明らかになった。
(4)サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量削減が課題<グラフ15>
サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量削減に向けて、取組みを実施していると回答した企業は約5割であった。今後は、取引先も含めたサプライチェーン全体での温室効果ガス排出量削減に向けた取組みが求められる。
(5)事業を通じた環境問題対応、方針・戦略の開示は必ずしも積極的ではない<グラフ5、17>
中期経営計画の中に環境問題対策を明確に位置づけていると回答した企業は、全体の72%であり、昨年度(68%)に加えてやや増加していた。一方、環境配慮型製品・サービスの開発に関する方針・戦略等を開示していると回答した企業は、全体の68%であった。環境問題対策を経営の中で重要視しつつも、対外的に方針や戦略等の開示を行うことには、必ずしも積極的ではない状況が窺える。
(6)マテリアリティの特定と開示に取組む企業は半数<グラフ20>
自社の経営戦略の成功の観点から見た際に、ステークホルダーにとっても重要な社会・環境側面での課題を抽出してCSRの重点取組み分野を特定し開示している企業は半数であった。今後は、自社の事業特性などを考慮した上でCSR重点分野を明確にし、取組むことが求められる。
(7)環境等の課題への対処、従業員の評価への反映企業は3割<グラフ22>
社会、環境側面等の課題やその成果を取締役、執行役員、従業員の金銭的又は非金銭的なインセンティブに連動させる仕組みを実施している企業は、全体の3割に留まっていた。
(8)CSR調達方針の策定企業は7割、課題は海外での実効性の確保<グラフ26、グラフ34>
購買取引において、CSR調達方針を定めていると回答した企業は全体の73%であった。しかし、海外でのCSR調達の実効性を確保するための取組みを実施していると回答した企業は62%であった。CSR調達を実際に実施していく上で、海外でのCSR調達の実効性の確保が今後の課題だと考えられる。
(9)海外・現地採用従業員活躍支援の取組みが広がる<グラフ33>
海外事業所における現地採用従業員の活躍支援の取組みは、昨年度に比べて実施していると回答した企業が大幅に増加していた。海外事業所における現地採用従業員の活用に向けて、積極的に取組んでいる状況が窺える。
(10)子ども・成人の教育に関する本業を通じた取組みが増加<グラフ37>
社会的課題の解消に資するビジネスとして、「子どもの教育」や、「成人の自己啓発・能力開発の促進」が昨年度から増加している。


調査の概要


(1)実施主体:株式会社日本総合研究所
(2)実施期間:2010年7月26日~同年9月3日
(3)調査対象:東京証券取引所第一部上場企業 1,663社、及び、その他の市場に上場している時価総額上位企業 計2,000社
(4)調査方法: 「わが国企業のCSR経営の動向調査」各社専用サイトにアクセスするためのIDとパスワードを送付し、ウェブ画面上で回答、インターネット経由で受領。本年度より、業種特性にあった設問とするため、調査票を製造業と非製造業に分けて調査を実施。なお、「水産・農林業」、「鉱業」、「建設業」、「電気・ガス業」といった業種は、通常は非製造業に分類されることが多いが、回答しやすさという点を考慮し、本調査では製造業に分類して実施。
<製造業に分類した業種>
水産・農林業鉱業建設業、食料品、繊維製品、パルプ・紙、化学、医薬品、石油・石炭製品、ゴム製品、ガラス・土石製品、鉄鋼、非鉄金属、金属製品、機械、電機機器、輸送用機器、精密機器、その他製品、電気・ガス業

<非製造業に分類した業種>
陸運業、海運業、空運業、倉庫・運輸関連業、情報・通信業、卸売業、小売業、銀行業、証券・商品先物取引業、保険業、その他金融業、不動産業、サービス業

(5)回収回答数:全体 339社(回答率16.9%)、調査票「環境編」336社(回答率16.8%)、調査票「社会・ガバナンス編」319社(回答率15.9%)(いずれも締切後提出分も含む)
(6)調査項目:調査項目は下記の表に示すとおりである。

<調査票 環境編>
1.環境コミュニケーション
2.環境マネジメント
3.環境負荷低減の取組み・パフォーマンス(気候変動)
4.環境負荷低減の取組み・パフォーマンス(気候変動以外)
5.サプライチェーン・マネジメントの観点からの環境対策
6.事業機会としての環境問題対応

<調査票 社会・ガバナンス編>
1.企業統治
2.公正な経済取引
3.顧客に対する誠実さ
4.労働慣行
5.仕事と生活との両立支援
6.グローバル市場への的確な対応
7.社会活動への積極関与
8.社会的課題の解消に資するビジネス
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